第7話 坂木:教室
「今日の放課後、空いてる?」
昼休憩の教室。兎口さんに話をする。
「うん、大丈夫だけど。一緒にあの……探してくれるの?」
「その前に、一回相談しようと思う人がいるのよ」
「相談? 誰に?」
「大丈夫よ。信用できる人だから」
兎口さんは辺りをせわしなく見回している。なにかを探してるようだ。
「どうしたの?」
「え? ううん、なんでもないの」
その時、カラカラと床で音がした。
「ひっ!」
兎口さんは大袈裟に驚いているが、彼女の後ろの席の人がシャーペンを落としただけだ。
明らかにホッとした様子で、ため息を吐く。
「じゃあ放課後、お願いね」
どこか疲れた表情で、兎口さんは言った。
「うん、まかせて」
私は腕を掻きながらそう答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます