第3話 鹿島:教室

 なんでこのタイミングでそんな話するんだよ。


 猪崎が殺されたこのタイミングで。


 俺は助けようとしたんだ、アイツを。それなのになんで。

 猪崎の死に方は普通じゃなかった。これがアイツのせいなら俺も熊野も兎口も狙われることになる。どうにかしないと。


 ああ、なんだ、足が痒い。虫にでも刺されたか。

 今からでも探しに行くか? いや、もう三ヶ月も前だぞ。生きてるわけない。でもなんとか許してもらわないと。


 許して? 俺が? アイツに?


 まさか、本当に呪いなんてあるわけないし、俺が呪われるわけもない。

 そもそも呪いなんてあるわけないし。

 でも最近、いつもなにかに見張られている気がする。いったいなんだって言うんだ。物陰から、人混みから、暗がりから。

 何度も確認してもなにもいない。多分、疲れているんだ。あれからずっと、もう終わったことなのに。忘れた方がいいと分かってるのに。


 これも全部アイツのせいだ。

 アイツの。

 根塚の。

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