第6話 転機

病院では 脱水症状緩和のための生理的食塩水と食事代わりのブドウ糖液を点滴された。


部屋を出るのが怖くて、食事だけでなく 給湯室に行ってお茶の補給すらしなかったので 脱水状態になっていたらしい。


そして 一度脱水症状になると 水分を経口摂取しようとしても胃腸が受け付けなくなり吐き気がとまらなくなり 胃袋に届いたものをすべて吐いてしまって、さらに脱水症状が進行していくのだそうだ。


そうなってしまうと 点滴して 血液の状態を良くしないと 衰弱が進行して死んでしまうらしい。


その話を聞いてとってもびっくりした。


 寮にいると 部屋に閉じこもることも 命に係わるらしい。水や食料不足で・・・



脱水症状が納まった後も、長期絶食のあとは 食事はおかゆから、でないと食べたものの消化ができないから、と言われて、病院に留め置かれた。


そして おかゆが出た日に 採血をされた。

 なんとなんと 注射器に3本分も!

 針を腕にさしたたまま、針にキャップの部分に差し込む注射器本体をとっかえひっかえするのだ! \(◎o◎)/!


 すごいなぁ 看護婦さん器用だなぁ すごい腕前だぁ と素朴に尊敬の念を口にしたら、 看護婦さんは 最初はきょとんとして 続けてニッコリして「慣れですね」とおっしゃった。


結果 「栄養不良につき 最低1か月の入院」と言い渡された。


そして 生活状態(なぜこうなった?)とか いろいろ質問されたあげく

入学前の健康状態について実家に問い合わせするからと言われ・・

 「私 孤児院出身で 学業優秀と言うことで 高校から奨学生として入学したの」と答えると・・・


孤児院から取り寄せた資料と学園からの報告書を見て 確認したいことがあるからと

各種「心理検査」なるものを受けさせられた。


「受けなきゃ退院させない」と言われたのに、「検査同意書」にサインさせられた。

「検査結果は医者しか見ない、本人には見せられない。保管その他利用に関しては医師の権限にもどつくから本人には説明する必要もない」と言いながら それらすべてに同意するとサインさせるなんて理不尽じゃない?


こっちは 病院に閉じ込められて 外部と連絡も取れないのに!!

 つっても もともと私には実質的な保護者はない

 書類の上では 学園入学前は孤児院長が、学園入学後は 校長が保護者になっているけど。


 つまり 私は未成年だから 何の権利もなく、私の代理人となるはずの保護者は、私を保護するのではなく 私を閉じ込めて自分の思い通りに動かすだけの人なんだよね。


 そこで しかたなく 「同意書」にサインして、心理検査なるものに答えた。


次に「学力検査」なる者を受けさせられた。

私が入院して 学校で定期考査を受けられないからと。


でも その試験の中身は 学園の授業とは全く無関係だった。

 でも 知ってることしか 問われなかったので 全部回答した

 次から次へと試験問題が出て聞きて 回答時間を真横ではかられて

 結局 3日間 朝の9時から5時まで 昼食休憩30分・3時の休憩15分で、

 もしかして 試験問題と解答用紙をあわせると 百科事典3冊分くらいあるかもと言うくらい大量の試験に回答させられた。


 でも その3日間は 夕食後 豪華なデザート(フルーツの盛り合わせにケーキとアイスクリーム!!♬)が出たので まあ 良しとしよう。!

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