第3話 呼び出し

翌日の昼休み、担任から職員室に呼び出され、あろうことか食堂まで連行されてしまった。


私は もう1か月以上 昼休みに付きまとわれるのを防ぐために、昼食をとることなく 毎日校内の空き教室をランダムに移動しては隠れて回っていたというのに!

(トイレと食堂は出入口が一つしかないので 張り込まれて必ず付きまとわれるから鬼門なのである)


そして 隣のクラス担任に付き添われて食堂のテーブルについていた 問題男子生徒の前に連れて行かれ、二人で話し合えと言われた。


当然 ほかの生徒たちは私たち二人の回りを取り囲んでひそひそ・じろじろだ。


担任二人は立ち去ろうとしたので、私はすかさず引き留めた。

「先生方が この場を用意してくださったのだから 最期まで見届けをお願いします!」と


二人の教師はささやきあった後 うなづき 腕を組んで 私たちの横にたった。


私は校長にお願いしたのとほぼ同じことを言った。

 後をつけるな 待ち伏せするな 手紙や物品を放置するな。

 物陰から様子を伺い目が合ったとたんに 逃げ出すような真似はするな。と、


少年は 黙ってぼろぼろと涙を流しながら

「僕があなたを好きでいることは許してください」と言った。


思わずお手上げだ~と思ったが 気力を振り絞って行った。

「あなたの心をどうこう言う気はありません。

 しかし あなたの行動すべてが迷惑なのです。やめてください」と


少年は黙ってうなづき、隣のクラスの担任は 彼を抱きしめ 頭をなでて慰めた。


ちょうどその時予鈴はなり、私のクラス担任は 「さあ みんな教室に戻れ」とだけ言って 私の方には目もくれず、私の悪口を言いふらしていた女子生徒たちのグループに明るく笑いかけ 冗談を言いながら食堂を出て行った。


やれやれ。


隣のクラスの担任に肩を抱かれた少年は 私に向かって言った。

「あした 僕から最後の贈り物をするから男子寮まで来てください」


「お断りします。受け取れません。

 これ以上私に近づかないでください。

 あなたからは 何も受け取りません。

 私について ほかの人と話すこともやめてください」


そういって 私も自分の教室に走って行った。

教科担任が教室の扉をあけた瞬間に 教師に向かって「すみません」と謝罪の言葉と一礼してからその脇をすり抜けて 自分の椅子に向かってダッシュした。


・・・

というわけで 今私は 寮の自分の部屋で 自分の枕にこぶしをたたき込んでいるのである。


 ボス ボス ボス


私が失恋させたみたいな展開だけど これって 私 まったく関係ないじゃない


あっちが勝手に 郷里の彼女の面影を私に求めて 私に付きまとっていただけじゃない


これで 本当に 終わりになるのかしら?


あれだけ言っても まだ付きまとわれたり 夜道で襲われたりしたら怖いわぁ

 心配だわぁ

 

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