第3話 はじめまして

怜は朝からそわそわしていた。

お互いの休みが合った日が今日で、数日前に約束を取り付けたからだ。


【明日10時に最寄り駅までお迎えにいきますね】

久しぶりの異性とのデートに怜は戸惑っていた。

「ムダ毛チェックOK!髪型OK!洋服OK!」

「はぁ、緊張してきた…」


怜は待ち合わせ場所へ遅刻しないようにと向かった。


【青い車です。もうすぐ着きます】


最寄り駅のローターリーは見通しが良く、入ってきた車はよく見える。

青い車なら尚更目立つ。


―ドキドキ―

心臓が飛び出そうな緊張感に包まれる。


【服装はどういう感じですか?】

【ワインレッドのワンピース着ています、人がいないのですぐ分かると思います】


そう打ち返し、ロータリーを見渡す。


「あっ、あれかな…」


きれいな青い色をした車が1台入ってきた。

怜は少しずつ近づく。

助手席のドアを開けて運転手に緊張しながらも精いっぱいの笑顔で挨拶する。


「こんにちは!初めまして、怜です!」

「初めまして!今日はありがとうございます」


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