第2話 目撃してしまった私
退屈な授業を終えて、昼休みになった。
今日も今日とて、アリサちゃんと体育館裏でランチタイムを過ごそうと、最近の流行りのスイーツを語り合いながら向かった。
が、先に誰かがいた。それが何とアイツだったので、こっそり隠れて様子を見る事にした。
アイツは落ち着かない様子で同じ場所を行ったり来たりしていた。
そこへ誰かがやってきた。女の子だ。リボンが緑色だから一個下の学年だろう。
女の子はショートボブでスポーツマンという印象を受けた。彼女は顔を赤らめながら何かを差し出した。包装紙がある事からプレゼントだろう。
アイツはそれを若干照れた様子で受け取っていた。女の子はピョンピョン飛び跳ねて喜び、アイツと一緒に話しながら去っていった。
茂みに隠れていた私とアリサちゃんは、髪に付いた枝や葉を取りながら、彼らの後ろ姿を眺めた。
アリサちゃんが、
「あれって、マリちゃんだよね?ほら、ハンドボールで早くもレギュラーになった」
と、二人を指差した。
私は図画工作部に入っているので、体育会系は全く分からないが、学校内の生徒事情に詳しいアリサちゃんが言うなら間違いないのだろう。
それにしても、あの根暗そうなアイツを快活な子が好きになるなんて、変わっているな。
(まぁ、もって二週間ってところか)
なんて事を思いながらアリサちゃんに「さぁ、邪魔者はいなくなったしお弁当食べよう!」と催促した。
だけど、今日のお弁当はいつにも増して味気なかった。なぜだろう。
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