第3話 元ゲーム会社の中堅社員(38歳) 姉に会う



「ルナ、今日は会って欲しい人がいるんだが、いいかい?」


「はい、わかりました。」(もしかして....設定するときに皆から例のあれと呼ばれたローゼ姉のことかな?)

例のあれとは、この体の実の姉、ローゼ•ドゥ•ビストの事で、ストーリーでは悪役令嬢として設定されていたキャラクターである。なので、もしかしたらとんでもなく高飛車なお嬢様かもしれない....というのも自分が関わっていたのはキャラクター作成の部分なので、作中でのセリフや人物像は殆ど知らないのである。まぁ、ストーリーの台本もらったけど全然読んでなかったのが真実なんですけどね

「そうか....じゃあ君のお姉さんに会いに行こうか。」(あの時の事があるからなぁ....こんなに早く会わせて大丈夫なのだろうか....)


「どうかしましたか?」

「ん?あぁ、なんでもないよ、君が気にする事じゃないさ。」

「そうですか....」(なんか隠してそうだけど...気にしないでおこうかな...)

そんなことを話しているうちに奥にある部屋の前まで来ていた。

「着いたよ。ルナ」


「ここですか?」

「ああ、そうだよ此処が君のお姉さん、ローゼの部屋だよ。」

「ローゼ、入って良いかい?」

とさんが声をかけると中から

「お父様?....どうぞ。」

と声がしたので扉を開けるとそこには

「えっとお邪魔します....」

中にいたのはザ、お嬢様令嬢的な格好をした金髪の少女がペンを持って机に座っていた。まぁどんな見た目か設定がを見て知ってたけど....

「え......ルナ?ルナよね。本当に大丈夫なの?あんな事があったのに...」

あんなこと?何かあったのか?怪我はしてないけど....

「えっと......ローゼさん?どうかしましたか?」

そう言うとローゼさんは驚いた顔をして口に手を当てる



「!?.....もしかして....私のことを覚えていないの?」

覚えてませんね......前世のこと以外は.....すまないな

「.....はい....なんかすみません....」

「いや...良いのよ。あんな事があったのだから、無理もないわ」

「あんな事って何ですか?」(あんな事...最初の場面で何か事件って起きていたんだっけ...確かストーリー担当は長瀬くんだっけ...)

長瀬君は一回ストーリーを練り忘れて、くそみたいな物語になったこともあったけど、それはそれでいい思い出だな

「ルナ?大丈夫なのよね?他に痛い所とか無いわよね?」

「えっと...はい。大丈夫です。」

記憶なくしていること以外は正常です。何処にも怪我は無かったし

「そう.....よかった.....」

「あの....以前の私はどんな人だったんでしょうか?」

何度も言ったけど設定ほとんど読んでないからわからない

「そうねぇ....前のルナは活発な女の子で勉強は苦手だったんだけど、魔法は私以上の逸材だって言われてたから私として嬉しかったわ。姉としてはちょっと寂しいけれど....」


「魔法ですか....」

魔法.....そういえば、この世界、魔法のある世界っていう設定があったような気がするな。設定画は職務上、よく読んだけど

そこまで設定集を読み込んでなかったからわかんないけど

「魔法はまた今度教えてあげるから今は駄目よ、病み上がりなんだからね」えー魔法使いたいなぁ!魔法はロマンですよ!古時記にも書いてありますし!

でも今は使えないのかぁ....

「そうですか....」(´・ω・`)

「そっそんなに残念がらないでよ....こっちが悪者みたいじゃない...」

あわあわと慌てた動きをしてなだめようとするローゼさん

「魔法ぅ.......」( இωஇ )

「ルナぁ....そんな顔で見ないでよぉ....」

さっきよりも慌てた様子で声をかけローゼさん

「........わかりました、魔法は回復するまで我慢します。」


「ほっ、よかった。」(魔法はまだ危険だから、あきらめてくれてよかったわ。)

「そういえば、ローゼさんは私とは姉以外にどんな関係だったのでしょうか?」

多くこの体、ルナの記憶以外の情報を入手しておきたいからね。

「あら?言ってなかったかしら?」

「えーと...多分言ってないです。名前がローゼさんと言うことしか知らないです」

「そういえばそうだったわね。」

次回へ続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る