ピンチ

「にゃあ……にゃあん」

「はー、コンビニのトイレ混んでたわー。じゃ行くか。ちゃんとシートベルトつけろよ」

「ねえ、待って。さっきから見てるんだけどさ、あそこにいる猫、すごい綺麗じゃない?」

「お、ほんとだ……真っ白で、目の色がまたすげえブルーだな……」

「ねえ、捕まえて、うち連れてこうよ」

「マジか? お前最近猫欲しいって騒いでるもんな」 

「後ろのトランクに、でかいリュック入ってたじゃん。あん中に詰め込んじゃえば、暴れたりしても大丈夫じゃない?」

「え、でもあの猫、ブルーの首環してんじゃん……しかしあんな綺麗な猫あんまいねえし、まあ首環なんか捨てちまえばいいか」

「そうそう。ね、今、道端の餌に夢中になってるよ。後ろからそおっと行って、素早く首の後ろ掴んじゃいなよ!」

「ん、やってみるわ」


「……おりゃっ!!」

「……にゃっ! にゃあ!!……」

「ほんとだ。首の後ろ掴むと大人しくなんだな猫って。このままこのリュックに……口をしっかり閉めてと。

 よっしゃ、美猫捕獲大成功だぜ!」

「にゃあん、にゃああん!!」



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