ファイヤー フォン

呂 歩流

第1話 スタートフォン

ニュースキャスター

「今日のニュースです、本日正午過ぎ、大阪浪速区でまたLPによる犯行と思われる無差別テロが発生しました。被害者は40代男性投資家との事ですが、意識不明の重体で病院に搬送、一命は取り留めましたが今も尚...」


「カタカタカタカタっ(パソコンの音)」


声「消しても消しても、無くならないや。」


そう、彼女の名はLP、昨年末から毎日の様に続く無差別テロの首謀者にして若干9歳の少女である。


有名コメンテーター

「これだけ多くのターゲットを毎日毎日次々と狙われて、警察始めFBIまでも尻尾すら掴めていない!これは世界を揺るがす大問題ですよ!人が個人の感覚で人を裁くだなんて言語道断。そのテロ行為に対して悪を裁くヒーローだと面白がってSNS上で教祖扱いしている物好きな集団もいるみたいですけど

馬鹿馬鹿しくて反吐が出ます。」

「これはただの殺人ですよ!」

「1日でも早く犯人が捕まる事を願っています。」


ニュースキャスター

「ありがとうございます。それでは次のニュースです...」


この世にはニュースでは報道されていない不可解な犯罪が自殺や不審死で扱われている。


LPがターゲットとしている大半はその不可解な犯罪で人民の平穏を脅かす組織の首謀者や幹部、リーダーが大半であり、その組織に恐れている平穏な一般市民からすれば当然LPの犯行は神の天罰、裁きの様なもの。


犯行に使われているであろう凶器は携帯電話、そうごく一般的に使用されているものである。


ただし犯行現場には跡形すら残らない。


恐らく犯行に使用されている。

「恐らく」、、、それだけである。


凶器すら証拠として残らない、まるで物理の法則を無視したかの様なこの犯行は昨今の書物では不可能犯罪の第一種に部類されている。


尚且つ、警察やFBIその他の政府捜査機関では足取りすら到底掴めないなんて現実離れな存在となってくると、もうそれは当然カリスマ的な存在として崇められる事は必然な事であった。


ただし、一般的に社会的な考えで物事を見た時に個人が人を捌くなんて事は当然の事ながら犯罪である。


人は携帯電話が犯行現場から謎に消える現象を

LostPhoneとし、主犯をその略名LPと名付けた。


LPの正体はいったい誰なのであろう。


この物語はLPについて著す。



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