第3話
魔王城は地獄と化していた。
四天王が前線で戦ってくれているお陰で我々兵士達もなんとか戦い生き残れている。
しかし、それも限界が近付いてきた。
先程勇者が魔王の所へ行き、戦闘が起きてから音沙汰無しだ。
我々の士気はもう無く、自殺する奴も出るほどに悲観している。
「魔王様がやられたはずがない!!今魔王様は勇者により負った傷を癒やしてるだけだ!!守れ!魔王様がまたここに戻るまでにこの魔王城を守るのだ!!」
しかし、音沙汰なし。しかも今代の魔王様歴代の魔王様の中では力が弱いと言う。勇者にやられてしまったのではないか?そのような不安は言葉だけでは払拭できなかった。
しかし、僅かに士気は上がった。魔王様。早くこの戦場をお収めください。
そう祈る。その祈りが届く事は……
奇跡的に起きた。
魔王城より何か大きな者が近付いてくる気配がした。
戦場の視線が全てそこへ向く。
そこには剛鉄のからくり物があった。
人の姿をしてはいるが、その身は生物ではなく、剛鉄等の鉱石によって動くからくり。
しかし、その姿には圧があった。
生物をひれ伏せ、恐怖に陥れる存在感。
その存在は我々を見ると突然肩の筒が火を噴いた。
それを知覚すると同時に音が鳴った。
なんの爆発だ?
恐る恐る振り返るとクレーターができていた。
人を吹き飛ばしたのだ。
魔法?いや、これが魔法でできるのだろうか?
俺は考えた。結果は違うだ。
魔法は発射までにラグと呼ばれる間がある。つまり練り上げるまでに時間がかかるのだ。
しかし、今のはなんだ?筒が火を噴いたと思ったら地面が爆発した。
つまり、ラグが無かった。
(!?)
瞬間、連続して爆発が起きた。
元凶はやはりあの巨人。
怖い!恐ろしい!!
しかし、四天王は言った。
「あの機械仕掛けは味方だ!!続け!!敵へ突撃する!!」
味方?あんな恐ろしいものが……味方?
ならば、勝てる。
あんなに恐ろしいものが味方なら、この戦争は勝てるのかもしれない。
恐ろしい強い。この強さが味方に付いているのであれば……
「「「「「ウオオオオオオオォォォ!!」」」」」
さあ、反撃の開始だ!!
***
突然出てきた剛鉄の巨人にはびっくりした。
ゴーレムとも違う。恐怖で構成されたかのような機械仕掛け。
しかし、その巨人が攻撃していたのは人類側のみだった。
味方か?
しかし、悩んでる暇は無かった。
例え裏切られたとしても、今は時間が命だ。
「あの機械仕掛けは味方だ!!続け!!敵へ突撃する!!」
剣を掲げて言った。
頼むから味方であってくれよ……
魔王軍が壊滅状態なのでジョーカーの俺。100万年の眠りから覚めた デルタイオン @min-0042
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