第232話 嫁は全部で6人!必要なモノを準備しよう

「「「「「おめでとう!!」」」」」


そう言って、ドアが盛大に開いた。


「「えっ!?」」


クリフとグランは驚きとともに、開いたドアの方を見る。するとそこには、セリーヌ、ユーナ、ナリア、ジャンヌ、ソフィアの5人がぞろぞろと入ってきた。


「「「「おめでとうグラン。」」」」


「よかったねグラン。」


「え~っとどういう事?」


クリフは困惑しながら、ユーナに尋ねた。


「クリフさん。グランの事はずっとわかってたでしょ?だからクリフさんとグランを二人っきりにしようと決めて先ほど実行したんです。」


(なるほど。たしかにユーナに言われなかったらグランの所に行かなかったよな。だけど・・・)


「え~っと・・・話はわかったけど、出てくるのが早いというか・・・まだ返事をもらってないんだけど・・・」


「「「「「えっ!?」」」」」


「う、うむ・・・あ、その、マスターよ。よろしく頼むのじゃ。」


「「「「「グラン!!」」」」」


「みなありがとうなのじゃ。我は今まで結婚などしたいとも思った事がなかったのだが、皆に言われて決心がついたのじゃ。皆よろしく頼む。」


「こちらこそだわ。グラン。一緒にクリフ様を支えていきましょ。」


こうして、クリフの嫁はグランを加えて6人になった。結婚が決まったグランはセリーヌ達に連れていかれたので、残されたクリフはグランの部屋から出て自分の部屋へと向かった。


「ふ~。あっという間だったな。まさかユーナ達が掌の上だったとは・・・。まあ尻に敷かれてるのはしょうがないし、俺も積極的な方じゃないから助かるけど・・・。だけど、まかせるばっかりって言うのはダメだよな~。何かサプライズで俺ができる事ってあるかな~。」


クリフは前世で結婚をした事はないが、CMやテレビでは結婚番組を見た事を思い出していた。


「結婚式か~・・・指輪とかドレスとかだよな~。こっちの世界の結婚式ってドレスとか指輪もあるけど、それを特別なモノにするっていうのが無難かな。だけど指輪か~・・・アイリーン様にもらった指輪をみんな付けてるもんな~・・・。それとは別に用意する必要があるけど、特別感って言うと難しいよな~。」


クリフはセリーヌ達に特別な結婚指輪とドレスを作る事に決めた。どちらもイメージはあるのだが、素材がないと作る事は出来ない。逆に言えば素材さえ準備できればクリフの創造魔法で指輪とドレスを作る事は可能だった。


とすれば後は素材だ。指輪の素材は宝石と金属。ドレスの素材は絹などの糸だろう。クリフはそこまでは考えついたがどんな宝石がいいのか?どんな金属が良いのか?ドレスに使う素材は?など、どれだけ考えても知識がクリフにはそれ以上進展させる事ができなかった。


「ダメだ。これ以上は進まない。どうしよ・・・。誰かに相談するのがいいだろうけど、誰に相談するのがいいかな?う~ん・・・マッシュなら何か知ってるかな?それか兄さん?パインに聞いてみようか?だけど、そこからセリーヌ達にバレる可能性は少なからずあるよな。できれば誰にも知られずにサプライズで作りたいけど・・・」


クリフは一人、部屋であ~でもない。こ~でもない。と延々に悩んでいた。そして・・・


「そうだ!神様なら良い案を出してくれるかもしれない。それに神様なら他の人にバレる可能性もないだろうし。」


相談者を決めたクリフは部屋を出て、教会へ向かった。エターレインの教会は聖女ユーナがいるという事で、他の町に負けないほど豪華なつくりになっていた。クリフは祈りの間に向かい神様に祈った。


すると・・・


「久々に来たな。この神様の空間。って誰もいないのかな・・・」


久々に真っ白い空間に来たクリフだが、いつもは畳にコタツにミカンって感じで神々がいるのだが、見渡す限り真っ白な空間で神の姿はなかった。


「ありゃ?どういう事だ?どこにもいないぞ・・・」


クリフは神々を探して白い空間を飛び回るが、飛べども飛べどもただただ真っ白い空間が続くだけだった。


「どうしよ?折角来たのに誰もいないなんて・・・。てか何で誰もいないんだろ??」


真っ白い空間が続くだけで移動しているかどうかもわからなかったので、一度立ち止まり神様の気配を探った。


すると・・・


「誰かと思えばクリフ君じゃないか。どうしたんじゃ?」


目の前に創造神が現れた。


「あっ、お久しぶりです創造神様。え〜っと相談があったので、教会でお祈りしてここに来たんですが誰も居なくて探してたんです。」


「ふむ・・・という事は誰が読んで訳でもないのに此処に来れたと言う事じゃのう。ふむふむなるほど。クリフ君ならありえるか。」


「不味かったですか?」


「いやいやそんな事はないぞ。クリフ君ならいつでも大歓迎じゃ。それより今は3人でお茶してたんじゃ。クリフ君も来るといい。」


創造神はクリフの手を取り移動した。移動した先にはよく見る畳にコタツ、ミカンが置かれていて、そこには豊穣神アイリーンと、遊戯神キューブが談笑していた。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る