第217話 90階層への道

「ようやく90階層についたわね。」


「うん。仕掛けが分かれば簡単なもんだったね。」


クリフ達は90階層への階段を見つけて、明日のボス戦に向けてコテージで休んでいた。


「それにしてもあんな簡単な仕掛けだったなんて驚きでしたね。もっと早く気づいていればよかったですね。」


「いやあれはきっと試練の一種だった気がする。正直バハムートに81階層から先の事を聞いてなかったらもっと念入りに調べていたと思うんだ。バハムートから81階層の事を聞いた事であの部屋には色付きの扉が4つと思い込んでしまってたんだよ。」


「なるほど。だからアレに気付かなかったんですね。」


「うん。多分そうだと思う。」


バハムートからヒントをもらった翌日からクリフ達は81階層の部屋を念入りに調べる事にした。階段を降りて、初めの扉を開けた先の部屋から順番に行く部屋行く部屋全てを調べた。その日は何の収穫もないかと思い、経過を伝えようと80階層への階段を登ろうとした時に不意に部屋を調べるとおかしな点が見つかった。


丁度扉と扉の間の角の部分に違和感があったのだ。他の部屋を注意深くみたからこそわかる違和感だった。その違和感に気付いたクリフはそこの壁を調べた。


すると・・・


壁と同じ色で、他の扉より半分ぐらいの大きさの扉があったのだ。近づいて見てみると扉だとよくわかる。なぜにそれに気づかなかったのか・・・改めて認識するとはっきりわかる。4つの扉ではなくて、部屋に5つの扉がある事に。


そして、その扉を開けて中に進むと案の定、下へ降りる階段が見つかったのだ。そこからは早かった。どこかの部屋には扉が4つではなく、5つある。その扉は壁の色と同じ色をしており、注意深く見ないと見逃してします。


82階層からも仕掛けは同じだった。壁と同じ色の扉を見つけると、その先には下に降りる階段がある。もちろん、部屋自体は広いので探すのには苦労したが、それでも1日に2階層以上進む事は出来ていた。


元々、81階層から89階層は広い。部屋数だけで100以上あった。そして出てくる魔物も1撃で倒せるようなレベルではない為、進むのには時間がかかったのだ。


ただ、先に進めない不安の元攻略していた時と、気分は違う。見つければ先に進めるのだ。クリフ達も下がっていたテンションが元に戻り、攻略は捗った。


そして、ようやく90階層にたどり着いたのだった。


「90階層のボスはどんな魔物でしょうか?」


「そうだね。80階層が神龍だったからそれよりは強いと思うけど・・・。全く予想がつかないな。」


(神龍以上の敵か・・・古代兵器とかかな?どうだろ・・・バハムートが出るならリヴァイアサンとかベヒーモスあたりが無難なのかな・・・案外天使とか悪魔の可能性もあるか。)


「そうですね。バハムートも90階層のボスはわからないって言ってましたしちょっと怖いですね。」


「まあセリーヌ達はここまでくるのにレベルも又大幅に上がったからね。敵がどれだけ強くてもうまく連携すれば倒せない魔物はいないと思うよ。」


セリーヌ達は81階層から89階層までいたすら魔物を倒す事でレベルを230から350にまで上げていた。もはやセリーヌ達は地上ではクリフの次ぐらいに強い存在へと変わっていた。奈落の底ダンジョンを攻略する事には、限界突破の上限のレベル500にまで到達する勢いだった。


クリフ達は明日の90階層のボスの予想を話しながら夕食を取り、休養を取っていた。この後は、そう。決戦の時だ。


ここ最近の食事はドラゴンステーキにニンニクマシマシが定番になっていた。ご飯には山芋卸しも乗っている。そう。夜の為だ。一度にんにく臭くなるから程々にしようと言ったら、「「「全く気になりません。大丈夫です。」」」と三人から言われる羽目になった。


(いやいやセリーヌもユーナもナリアもニンニク臭いから!!だってドラゴンステーキ1人前にニンニク丸々3個ぐらいすりおろしたり切り刻んだヤツが乗ってるじゃん!!)


毎日のようにハッスルしてるから夜の営みには慣れてきた。が・・・

何度も何度もハッスルするのはさすがにクリフも疲れていた。いやいや求めてくれるのはうれしい。うれしいが女性のソレがあんなにも何度も求めるのかと逆に驚いたくらいだった。


クリフは断る事もできずに日々がんばっていた。地上ではもはや世界最強の実力をもっているが、夜の世界では、セリーヌ、ユーナ、ナリアの方が強かった。


今日の順番はセリーヌだった。そして、ニンニクなどの精の付くモノによって高められたクリフの戦闘力はセリーヌによって0にまでされるのだった。



戦闘力がゼロになっても朝になればクリフは清々しい朝を迎えていた。なぜなら、クリフはいつの間にか体力自然回復極大のスキルを手に入れたいたからだ。これは、クリフの状況を見て、新たな神がクリフにスキルを授けた為だった。


「よし。それじゃあ行こうか。」


準備を終えたクリフ達は90階層へと降りて行った。そしてボス部屋に足を踏み入れた。


そして、同時に4人は驚きの声を上げた。


なぜなら・・・


ボス部屋にいたのは、クリフが良く知る。いやセリーヌ、ユーナ、ナリアにとってもなじみのある人物だったからだ。


☆☆☆★★★☆☆☆


お読みいただきありがとうございます。

新作も無事に投稿致しました。ブログでは先行的に公開しています。

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