第201話 ナリアとの夜もやっぱり・・・

奈落の底ダンジョンに入って、昨日はユーナと一昨日はセリーヌと同じベットで寝たクリフ。今日の晩はナリアと一緒になるのはわかってるので、ダンジョン攻略そっちのけで、今後の事を考えていた。


(セリーヌとユーナとは一緒に寝た。けど手は出していない。キスまでしかしていない。たしかにユーナと一緒にした料理は楽しかったし、セリーヌと初めて一緒に寝る事ができてうれしかった。どうもセリーヌ、ユーナ、ナリアの方が僕よりも100倍積極的なんだよな。)


(たしかに僕はこの世界でハーレムを目指した。そして現に婚約者はセリーヌ、ジャンヌ、ソフィア、ユーナ、ナリアと5人もいる。だけど・・・やっぱりハーレム目指すならキスだけで終わるっていうのは無いよな~。だけどどうすればいいんだろ・・・。)


(正直冒険なんかは前世でゲームとか散々やったからよく知ってるけどラノベに出てくるハーレムなんてだいたいこんな感じまでしかないよな・・・。かといってセリーヌとユーナに手をだしてないのにナリアに手を出すわけにもいかないし・・・。どうしたらいいんだろ・・・。は~。異世界テンプレのナビ機能とか始めにねだっておくんだったな。)


「クリフ様。どうしたんですか?」


「ん?いやなんでもないよ。」


「そうですか?何か遠くを見ていたので何かあったのかと思って・・・。」


(危ない危ない。一昨日と昨日の事でそっち系に思考が流れてるぞ。まあそりゃしょうがないよね。セリーヌもユーナもとびきりの美人だし、一緒に寝てて何もしないんだからそういう事考えちゃうよね。は~。このままじゃ僕の身が持たないな。しょうがない。セリーヌ達に見つかったら何言われるかわからないから、ダンジョン中は1人でどうにかしないようにしてたけどこのままじゃどうにかなりそうだ。)


クリフは、異世界にきて初めて焦っていた。今までは婚約者とイチャイチャしつつも一定の距離を保っていたが、ここにきてセリーヌ、ユーナ、ナリアとの距離が急に近づいてどうすれば良いかわからなくなっていたからだ。


(賢者タイムをうまく取り入れてうまく切り抜けないと・・・。でも難しいな。僕って鈍感系主人公じゃないからあまりにそっけない感じになるとそれはそれで、みんなも気にするだろうし・・・。ダンジョンを攻略したら誰かに相談してみよう。)


今日のナリアの事があり、ダンジョン攻略に全く集中できなかったクリフだが、元々の実力が飛びぬけているので、思考は別の所にあってもセリーヌ、ユーナ、ナリアの事はしっかりとサポートしていた。


前日と同じようにセリーヌ達を意識しながらクリフは別行動で下へ降りる階段を探していた。21階層からのジャングルエリアはどの階層も同じような作りをしており、出てくる魔物も一緒だったので、セリーヌ達はドンドン魔物を倒して行った。いやむしろクリフと距離を縮められた事でセリーヌ達はダンジョン攻略を初めてから日に日に動きがよくなっていた。


30階層への階段を見つけたクリフ達はボスの攻略を明日する事にして、夜営を行う事にした。


クリフは恒例のレベルチェックを行う。


セリーヌ・・・レベル52 → レベル58

ユーナ・・・レベル50 → レベル56

ナリア・・・レベル51 → レベル57


今日の晩御飯はクリフとナリアが一緒に作る事になった。ちなみに、料理をしている間にセリーヌとユーナは先にお風呂に向かっていた。


「クリフと一緒に料理するなんて思ってもみなかったわ。」


「僕もだよ。それにしてもナリアも料理できるんだね。」


「もちろんよ。皇女と言っても女性ですからね。料理の一つや二つはたしなみとして常識よ。それよりもクリフは料理がうますぎるわ。」


「はは。まあ料理するのは好きだからね。」


ナリアと楽しくおしゃべりしながら料理を作って行った。セリーヌとユーナがお風呂から出て来たところでみんなで夕食タイムだ。


話題はもちろん・・・


「セリーヌ、ユーナ!今日は私がクリフと一緒に寝るんだけどクリフってどんな感じなの?」


と、クリフがいる前でナリアは昨日と一昨日の晩の事を聞きまくっていた。


(そういうのってコソコソ話すもんじゃないの?そういう話題はやめてほしいんだけど・・・。)


「じゃあ食事も終わったし僕は先にお風呂に入ってくるね。」


空気に耐え切れなくなったクリフは早々に食事を終えてお風呂へと逃げて行った。


「逃げたわね。」


「ナリアがクリフ様の事を根掘り葉掘り聞くからよ。」


「そうですね。私も困りました。クリフさんもずっと黙っていたじゃないですか?」


「ごめんごめん。私も今日はクリフと2人きりだし緊張してるのよ。」


「まあその気持ちはわかりますが・・・。」


「そうですね・・・。」



そして、クリフがお風呂を出て、ナリアがお風呂に入った。お風呂から出たナリアはそのままクリフの部屋に向かう。


「クリフ。入っていい?」


「どうぞ~。」


クリフはナリアを部屋に入れた。部屋に入ったナリアはベットに腰かけた。


「あの・・・その・・・さっきはごめんなさい。」


ナリアは2人きりになるといきなり謝った。


「えっ!?どうしたの?」


「クリフと二人きりになる事を考えると、緊張しちゃって。どうしたらいいかわからなくなってあんな事いっちゃったの。あの後セリーヌにもユーナにも怒られたわ。だから・・・。」


「大丈夫だよ。たしかにちょっと気まずい感じだな~って僕はお風呂に逃げたけど何とも思ってないよ。」


「本当!?」


「うん。だから全然大丈夫。それより今日はナリアの番なんだからナリアの事色々教えてよ。」


それからクリフとナリアは2人でお互いの事を話し合った。セリーヌやユーナといる時と違って2人きりになるとナリアはうまく言葉がしゃべれないのかモジモジしながらゆっくり話していた。


「ナリアって普段の時と今の感じ全然違うんだね。今の方が本当のナリアなの?」


「!?・・・はい・・・普段は強気な性格を装ってます。皇女ってけっこう色んな人と交流があって、隙を見せると色々つけこまれるので。」


「そうなんだ。でも今は僕もセリーヌもユーナも別にナリアに対して何かしようと思ってないから装う必要もないんじゃないの?」


「強気な性格が嫌いな訳じゃないんです。あれはあれで思ってる事を何でも言えるから切り替えながらやっていってるんです。」


「そういう事ね。強気なナリアもいいけど、こっちのおしとやかな感じも新鮮でいいね。」


「!?クリフ・・・。」


(ナリアの意外な一面を知っちゃったな。でもよかった。ちゃんと処理してて・・・。ムラムラしたまま迎えてたらこのギャップはちょっとやばかったかも・・・)


ナリアの意外な一面に驚きつつも深夜までお互いの事を話し合った2人は一気に距離が近づいたのだった。


もちろんおやすみのキスをして同じベットで眠りにつくクリフとナリア。クリフはムラムラを処理していたので、予想以上に興奮する事もなく眠りにつくのだった。

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