第127話 3大国交流戦に向けての合同練習開始!!
6月になり、2年生、3年生、4年生の合同練習が始まった。
3年生の魔法無しと魔法のみの競技と4年生のなんでもありの戦闘競技は個人戦と変わらないので練習はとてもスムーズに進んだ。もはやこの競技は個人個人の戦力によって結果が決まると言っていいので、ひたすら練習を繰り返した。
問題があるのは他の競技だった。
ルールや過去の実績、卒業生や学園の先生の話を聞いて競技の事は理解しているが、実際にやってみないと具合はよくわからかったからだ。
2年生の競技である5対5の団体戦。
3年生のダンジョンタイムアタックと魔物討伐タイムアタック。
4年生の攻城戦と宝探し
5対5の団体戦は比較的にすぐに馴染んでいった。しかし5人の連携がすごく大事なのでフォーメーションや戦術など、クリフも交えて戦闘面だけでなく、打合せの時間も多く取った。
ダンジョンタイムアタックや魔物討伐タイムアタックもクリフの提案で5人でチームを組んでそれぞれが挑戦した後に、改善点や強化点を話し合う事で競技の理解が深まって行った。
攻城戦や宝探しも実際に行う事で、調べた事や聞いた話とは違った部分もあり練習すればするほど、理解が深まって行った。
(やっぱり実際にやってみて意見を言い合うのはすごくいいな。順調に全員のレベルが上がってるのが目に見えてわかるな。でも毎回こんな感じで練習しても前回は最下位だったんだよな~。)
月1回の合同練習も今回が3回目だった。
(う~ん。他の国の状態がわからないから自分達がうまくやれているのか、そうじゃないのか全然わからないな・・・どうしよ??バレないように、帝国と聖国に行って直接見てみるべきか?いやバレたらやばいか。でもそれならバレないなら大丈夫なのか?)
「なあマッシュ。合同練習も順調に進んでて俺達の実力も上がってきている。でもさぁ毎回こういった練習をして交流戦に挑んでも優勝できないんだよな?」
「そうだな。王国はしばらく優勝してないって聞いてるな。」
「だったらさ。一度帝国か聖国に行って相手がどんな感じか調べるのもいいんじゃないか?僕ならバレない様に調べる事ができると思うんだ。」
「クリフの言う事ももっともだけど・・・俺は反対だな。もちろん王国として優勝はしたい!だけど他の国だって対戦国の情報は知らないと思うんだ。その中でウチだけヨソを調べて交流戦に向かうのはフェアじゃないと思うんだ。俺は正々堂々と戦って優勝したいぜ。」
「・・・マッシュの言う通りだね。ごめん。さっきのは忘れてくれ。」
「いや。誰だって他国の情報は知りたいと思うだろ。それにもしかしたら帝国とか聖国は、王国の事を調べているのかもしれないし。こればっかりはわからないからな。でもまあ俺達にできる事は日々努力して勝てる確率を少しでも上げる事だと思うぞ。」
(さすがマッシュ!僕よりも主人公してるな。マッシュに相談してよかった。そうだな。優勝したいけど、必ず優勝しないといけないわけじゃない。コソコソ他国を調べるのはちょっとずるいイメージあるもんな・・・)
「そうだね。ちょっとナーバスになってたよ。」
「わかるけどな。でも俺達4年生はクリフもいるし俺は勝てると思ってるぞ。まあ3年生や2年生はちょっとわからんがな。」
「そう?アメリアも頑張ってるよ。」
「アイツは俺と違って頭がいいからな。」
今月の合同練習が終わりクリフは家に帰った。
「ただいま~。」
「「マスター!おかえりなさい!!」」
「スイム、クインただいま。グランは?」
「グランはいつものように部屋に居ると思います。」
いつものメンバーで食事をしながら最近の状況を聞かれたのでクリフは最近の状況をグラン達に話していた。
「なら我が帝国とかを見て来ようか?」
「いや大丈夫だよ。マッシュにも言われたけど自分達の努力だけで勝ちたいんだよ。絶対勝ちたいなら他国を調べてでも勝つのが普通なのかもしれないけどマッシュの言う事ももっともだったしね。」
「マスターなら負けないです。」
「そうだね。僕もそのつもりなんだけど今回はチーム戦だからね。僕だけの力では優勝できないんだよね。それが辛いところだね。でもまあそういうのもおもしろい所かな。」
(交流戦とかチーム戦ってやっぱり学校の醍醐味だもんな。でもどうせなら勝ちたいし、勝たせて上げたい。)
「そういえばマスターよ。前回は最下位だったと言っておったが、その時のメンバーから話は聞けないのか?それか合同練習だったか・・・それの対戦相手を前回のメンバーにしてもらったら一番身になるんではないかのぉ。」
「!?グラン!?それだ!!」
(なんで気づかなかったんだ。そうだ。前回の出場メンバーに協力してもらえばいいんじゃないか。実際に帝国や聖国と戦ってるわけだし練習相手になってくれるならこの上なく勉強になる。これだ!これで今年の3大国交流戦は準備万端で挑めるぞ!)
「グラン!ありがとう。明日早速学園長に聞いて手配してもらうよ。」
「うむ。マスターが喜んでくれて我もうれしいぞ。」
「スイムとクインも!色々案を出してくれてありがとうね。」
「いつでも言ってください。」
「クインも!マスターの為ならがんばりますよ。」
練習しても練習しても最近は不安だったクリフだが、グランの案で不安が消え去ったクリフは久しぶりに気持ちよく眠りにつく事ができたのだった。
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