第126話 各学年のSクラスの状況は・・・

学園長室を出たクリフは生徒会の部室に向かった。


(今日はみんないるはずだからアルに話を聞いてみるか。そういやダンジョン合宿の話をしていた時、アルは執拗にどんな感じだったか聞いてきたっけ・・・今思えばあいつもダンジョン合宿したかったのかもな。でも、だったら直接言えばいいのに・・・)


生徒会室に入るとメンバーはすでに部屋にいた。


「遅れてごめん。学園長に呼ばれてて学園長室へ行ってたんだ。」

「クリフ様が学園長から呼ばれてたのは知っていましたから問題ありませんわ。それで学園長の話はなんだったんですか?」


「うん。3大国交流戦の事だったよ。4年Sクラスだけじゃなくて3年生と2年生も見てくれって。」

「そうなんですね。ちなみにアルフォンス君はどの競技に出るんですか?」


セリーヌはアルフォンスに話しかけた。

この部屋にいる生徒会メンバーは全部で6人。


生徒会長・・・クリフ

副会長・・・・セリーヌとアルフォンス(3年生Sクラス首席)

書記・・・アリスとマチルダ(3年生Sクラス次席)

サポート・・・アメリア(2年生Sクラス首席でマッシュの妹)


「僕はダンジョンのタイムアタックに出ますよ。マチルダは魔物のタイムアタックに出てもらおうと思ってます。」

「えっ!?マチルダさん。魔物のタイムアタックにでるんですか?」


「はい。3年生はどの競技に出ても戦闘がありますから。私は動くのは苦手ですが魔物の討伐のスピード勝負ならあまり動かなくてもサポートできるかな。と思いまして。」


「アル達3年生は3大国交流戦に向けての準備はどうなの?」

「あんまり進んでいません。クリフ先輩のようにダンジョン合宿のような事もできていませんし・・・」


「そっか・・・ちなみに勝算は?」

「なんとも言えませんね・・・」


(まあまだ時間はあるけど・・・でも意外に時間って早く過ぎるからな~。)


「そっか。じゃあ今日は生徒会でそれぞれ3大国交流戦勝つためにどうすればいいか話し合おうか。2年生の方はどうかな?」


クリフは2年生Sクラスの首席のアメリアに話を聞いた。

「そうですね。私は論文大会に出るのですが、順調に準備は進めていますよ。」

「アメリアのチームは何の論文を発表するの?」


「無詠唱魔法についてですね。」

「無詠唱魔法か~。いいテーマだね。」

「はい!クリフ先輩に教えてもらって私も使えるようになりました。まだまだ無詠唱で魔法を使える人は多くないので、この論文を発表して多くの人が無詠唱で魔法を使えるようになれたらいいなって。」


「そっか~。わからないところがあったら何でも聞いてね。」

「はいっ!!」


「それじゃあ3大国交流戦で優勝する為にはどうすればいいか生徒会として話し合おうか。ちなみに交流戦がある今年は競技の合同練習とかもあるんだよね?アリスはだんな感じでするのか知ってる?」


「もちろんだよ。じゃあクリフ君に教えてあげよう!!。」

「うん。よろしく。」


「毎月1回それぞれの学年の競技の練習として他の学年のSクラスを敵と仮定して練習していくんだよ。」

「毎月1回あるの?」


「そだよ。今は5月だから来月からかな。だからどの学年もそれまでに競技に出るメンバーを決める感じかな。あっもちろん練習した後でメンバーを交代する事もあるみたいだよ。」


合同練習の流れはこうだった。

6月から2年生の競技練習、3年生の競技練習、4年生の競技練習を月に1回行う。


2年生の競技練習は5人対5人のチーム戦だ。2年生の競技に参加する2チームに対し、3年生と4年生の『武』のメンバーが5人組を作って戦闘を行う。2年生にとっては格上のとの闘いになるので非常に成果がある練習だ。


3年生の競技練習は魔法無しの戦闘と魔法のみの戦闘。これは個人戦なので2年生か4年生がそれぞれ相手をする。3年生の競技はそれ以外にダンジョンのタイムアタックと魔物の討伐スピードを競うタイムアタックがあるが、これも近くのダンジョンで実際に2年生と4年生を敵に見立てて練習をする。魔物の討伐は魔物をつれてこれないので3年生は授業で魔物討伐の授業がある。


4年生の競技練習も同様だ。個人戦は3年生の競技とかぶる所はあるが、4年生の方は何でもありの戦闘なので、別に練習を行う。攻城戦も同様だ。2年生と3年生を敵と仮定して実際の競技を行って、本番に備える。宝探しに関しては森を使ってサバイバル授業を行う感じだった。


「なるほどね。実際に競技を事前に体験できるって感じだね。これなら課題とかも見えてくるし本番に向けていい準備ができそうだね。」

「クリフ様。でもこれはどの国も同じようにしているので、最低条件ですわ。」

「そうなの?」


「はい。競技のルールは知っていて当然。過去に戦った先輩方の記録もありますのでそれの勉強会をしたり、卒業生を呼んで話を聞いたりとどの国もこの交流戦はかなり力を入れていますわ。」


(なるほど。過去の記録とか先輩の話を聞いたりして対策していくわけか。そういや兄さんと姉さんも3大国交流戦に出てるはずだよな・・・。一度戻って話を聞いてみるのもいいかも。父さんも昔に出てるかもしれないな。実家に帰った時にでもその話を一度聞いてみるか・・・)


「なるほどね。じゃあ過去の記録とかを生徒会でまとめて、みんなに教えるっていうのはどうかな?」

「そうですね。今までは各個人が資料を見て学ぶ感じだったので、要点や必要な所をまとめるのはすごくいいと思います。」


「よし!じゃあ生徒会としてその辺りをサポートする方向で行動していこうか。」

「「「「「はい。」」」」」


(とりあえず合同練習で2年生と3年生の実力を見てからレベル上げとかの事は考えるかな。)


生徒会としての今年の活動内容も決まり、3大国交流戦に向けての準備が順調に進んで行くのだった。

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