「コレ見てみろよ」

　淳司が俺たちに、スマホのネットニュースを見せてくれる。

　それは、昨日のニュース画像が載っている記事だった。

　そこには、ある女性が何やら本を持ってにっこりと笑っている画像が載っていた。

「これがどうかしたのか？」

　俺が淳司にそう訪ねると、吊り目の奥をキラリと光らせるかのようにニヤリと笑いこう言った。

「それ、誰だか分かるか？」

「えっ？　この女性？」

　俺は、淳司の話の筋からすぐにピンと来た。

「ま、まさか、これって、ひょっとして、あの知美……？」

「ああ、そうなんだよ」

　淳司は、目を閉じながら、大きく首を縦に三度振る。

　まさかだった。

　あのいつも髪がボサボサで、みんなにいじめられて、服もいつも汚されていた知美の姿からは、全く想像がつかなかったからだ。

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