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目次
希望で希釈させて
希望を希釈させて
つらいこと
くるしいこと
言葉にすることも
憚られるくらいに
一夜でかわった光景が
傷跡なんて言葉も
なまぬるくて
すべて
奪い去っていったあの夜は
もう帰ってこない
希望なんて言葉は
役にもたたなくて
救援物資の方が何倍も
ありがたいよって
棘が立つこの場所だから
希望の言葉で
希釈したい
確かにあの日を境に
帰ってこない日々があって
取り戻せないことだらけで
あなたの痛さが
分かるよなんて
とても言えないけれど
希望の言葉を
一言でも多く
紡ぎ出して
希釈したいの
苦しいこと
辛いこと
悲しいこと
どうにもならない
あの日の不安も
分かち合えるなんて
とても言えないから
希釈させて
あなたが息をして
今ココにいて
それだけが
何より希望だって言ったら
あなたは笑うかしら？
希釈できない
ただ一つの幸せなの
私にとっての
ただ一つの希望なの
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ノベルアップ＋で公開していた
台風１９号被害支援プロジェクトである【届け、言葉の力PJ】に参加した詩集
「君の言葉を「希望」と言わせておくれ」に掲載した４編のうちの１編。
平成３０年度豪雨災害被災地当事者だったり、東日本大震災被災地が故郷の尾岡が、色々な感情を詰め込んだ、４編です。
再掲する場所に悩みどころだったのですが、人に恋をするということと。苦しい時を乗り越えることは紙一重な気がします。
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