それぞれの過去と思い 十九話

「お客様がおそろいで…え?」


入ってきたのは、濃い赤色のした、騎士がきてそうな服を身にまとっている女の子だった。女の子は三人を見て言葉が詰まっている。


「どうして…」





「あ…今きたか」


「…」


「俺から話しても無駄だから直接話させようと思って呼んだんだ」


サイジは女の子に向かって言った。女の子は俯いて何も口に出さなかった。


「ジーナ…」


黙っていたライは声に出す。ジーナは何も言わない。ライは立ち上がりジーナの前に立った。


そしてギュッと抱きしめた。目からは涙がこぼれていた。


「無事でよかった…。ジーナ、やっと会えた」


ジーナの強張っていた顔はほぐれ大粒の涙をながしながらライを抱きしめた。


「…う…ごめんね、ごめんねライ…」


ライはしっかりとジーナの気持ちを理解できていた。


「あの時私が、もっと力になっていたら、こんなことにはならなかったのに……」


「ライのせいじゃない。これは私が決めたことだよ。お願いだから、自分を責めないで…」


二人は声を枯らしながら言う。分かり合えてよかった。二人とも辛かっただろうな。お互い思いがすれ違っていて、それでもライは絶対にジーナは生きていると信じていたし、ジーナはライのことをずっと思っていた。


「よかったよ…」


「なんでお前まで涙流してんだよ……」


ルーミはボロボロと涙を流しながらふたりを見守っている。


「しょうがないでしょ。てか、これで泣かないあなたもおかしいと思うけど」


涙声で言いながらイリスを見る。イリスははぁ~とため息をついてソファーに寄りかかる。


「さあさあ、再会を喜ぶのはいいが、みなさんがお待ちかねだ。会場に行くとしよう。仮面は持ってきたかね」


サイジに案内され、パーティー会場へと向かった。ライとジーナは二人で話したいといい、部屋に残った。


イリスとルーミは躊躇わず、部屋から出た。


「さあ仮面をかぶりな。ここにはたくさん貴族もきている。何人か平民もいるがな。身分は問わず色んな人と話な」


「なんで私たちを誘ったの?」


「いやぁ、色々と迷惑かけたからな」


サイジのことはよくわからない。何を考えているのか。いい人なのか、悪い人なのか。警戒しつつ関わろう。


「さあここだ」


大きな扉の向こうには広い豪華な部屋があった。天井には豪華なシャンデリアに窓はステンドガラスが貼ってある。人々は豪華なドレスを身に纏っている。


人々から放たれる光が眩しい。こんなところにこれるなんて夢みたいだ。ルーミは興奮しながら中へと足を踏み入れた。


「あ、ストーンさん。ご招待いただきありがとうございます」


サイジが入ってきたことに気づくと一斉に人がサイジに集まった。サイジは顔は広いのか。ギルドを組んでいるって言っていたけれど。


「君、賭け事しないか?」


気づくと、ルーミの前には背の高いスラっとした男の人が立っていた。金髪に仮面の奥には青色の瞳が見えた。

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