それぞれの過去と思い 七話

「ええ、大丈夫よ」


オースタさんは軽くOKしてくれた。


「それにあなたたちはカフェの手伝いをしに来てくれたでしょ?、それは復旧の手伝いをしてほしかったから仕事は終わったようなものよ。本当にありがとう。これ、謝礼よ」


そういい、300ドルくれた。


「え?!こんなもらっていいんですか?!」


「ええ、本当はこれでも足りないくらいよ。だから困った時はここに来てね。できる限り助けをするから!これからは私一人で頑張っていくわ!いつまでも頼ってられないもの」


笑顔で言う。初めて出会った時のオースタでは考えられないくらいの笑顔だった。


「はい……!頑張ってください!呼んでくれたらいつでも駆けつけますよ!」


「ありがとう」


「それじゃあ行こっか、明星の森へ」


ライのスキルを使い、明星の森へと向かった。




「ここだよね。魔獣と戦ったのは」


「ああ、ここにたってた時上から降ってきた」


「近辺を探してみよっか。二手に分かれよ。わたしとライは西、イリスは東を探そう。何かあったらスキルとかで教えて」


「分かった」


ライとルーミは西へと向かう。回りは木が生い茂っている。不思議な実もなっている。


「これがサクラよ。初めて会った時に飲んだジュースの元よ」


ライが色々と教えてくれる。知識が豊富だ。何年くらいこの異世界にいるのだろう。


そして、どうしてここに来たのだろう。機能ライはあまり喋っていなかった。誰だって話したくないことはあるだろう、とその場では言わなかった。


「ルーミ。見て」


さっきまで隣にいたライは後ろにいた。ライが見ていたのは木に付いている真っ赤な色をした血のようなものだった。


「これ……誰かの血かな…」


「分からない……。けど、血をだとしたらここで誰かが血を流していた……。それが誰なのか分かればいいんだけど……」


「そう簡単には分からないよね」




「う……痛い……」


誰かの声がする。女の子だ。


「聞こえた?」


「うん。どこだろ」


声のする方へ走っていく。茂みの中に男の子が足から血を流して座り込んでいた。


男の子の足には噛み付かれた跡がある。


「大丈夫?!すぐに治してあげるからね」


ルーミはすぐさまスキル【リカバリー】を使った。傷はだんだんと小さくなっていく。


「これでもう大丈夫。ここで何をしていたの?」


「果物を集めようとしたら、オオカミが洗われて……」


グスッと涙を拭って言う。ルーミ男の子の顔を覗いて


「私たちが付いてるからもう大丈夫。家まで送ってあげるわ」


立ち上がり手を差し伸べた。男の子がルーミの手を取ろうとした時だった。

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