〜初心者ギルド開設!〜5話

ユリを助け、ユリのお母さんも助けたルーミはお礼として一晩泊めてもらうことになった。ユリの両親はたくさんのご馳走を出してくれた。


三人はそれをたくさん食べ、次の戦いに備えた。また、ルーミとイリスとライはユリのお父さんに剣をもらった。


「君たちギルド組んでるのに剣とか持ってなきゃ戦えないだろ?」


最初は遠慮したものの結局三本もらった。


「ありがとうございます」




次の日朝早くから三人は出発した。村の人たちに見送られながら明星の森へと向かった。


「もうすぐ着くわよ。ほらだんだんと見えてきた」


村を出発してから数時間が経ったころライが言った。


「あそこかー、魔獣ってどんなのだろう」


「日本にいたころ漫画で見た魔獣みたいなのだろ?ツノ生えて、二本足で牛みたいなのだろ」


イリスが説明しているがよく分からない。


「あー、何となくわかる」


分からないけれどわかったフリをしておいた。


「さあ着いたわよ」


気づくともう明星の森の前に着いていた。明星の森はとても広い森で昼間は明るいが夜は真っ暗で前が見えないくらいだ。そして魔獣も出るため、夜には誰も入らない。


昔、夜中に子供がここに迷い込んでそれから帰ってくることはなかった。と言うは話もある。


「さあ、さっさと魔獣倒しちまおうぜ」


「ええ、そうね。魔獣に会った時どう戦うかはさっき離した通りにね」


「分かった!」


「それじゃあいこっか」


森の中は鳥の囀りが聞こえる。けれど、生き物がいる気配はない。


「明星の森の木々は果物とかが成っているのよ。それを摘みに来る人も多くいるそうよ。だけど、たまに帰ってこない人がいるみたいなの」


「魔獣の仕業ってこと?」


「かもしれないわね」


「…俺が倒してやる…」


「妙に張り切ってるわね」


イリスは拳を握りしめている。怒りをおさえているようだった。


「だけど、魔獣って昼間にも出るの?夜とかに出るイメージだけど」


「昼間にも出るわよ」


ドーン


突然三人の後ろに何かが降ってきた。砂がまってよく見えない。


砂が段々と薄くなって前が見えるようになった時ミカが顔を真っ青にし震えた声で言った。


「魔獣よ…それも四級じゃないわ。二級の魔獣よ…」


「二級って…私たち初心者が倒せるレベルじゃないでしょ?!」


「マジか…」


「あそこのポスターには四級って書いてあったのに」


「もうきちゃったならやるしかないでしょ!」


ルーミはやる気満々だった。


「だけど私たちが相手できる相手ではないわ」


「やってみなきゃわかんないだろ」


イリスも前に出た。


「ライは後ろに下がってて、もしヤバいと思ったらライのスキルで逃げるわよ」


「え…。……わかったわ」


「それじゃあ、行くわよ」

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