〜初心者ギルド開設!〜6話

「まずは腕を切って攻撃できないようにしろ。次に頭を切る」


「OK!じゃあイリスは右腕を私は左腕を狙うわ」


二人は一斉に走り魔獣へと向かった。


魔獣は腕をブンブンと振り回してなかなか近づけない。かわすのも精一杯だった。


「随分とデカイな。これじゃあ倒せないぞ!」


「どうしよう」


『スキル~炎~』


魔獣が何かを発動した。すると、魔獣の手から炎がでてきた。


魔獣は炎を二人に向け撃ってきた。


「危ない!」


ライが叫んだ。


二人の周りには砂埃が舞った。


「……!」


ルーミが剣を思い切り振りかざし炎を消し止めた。


「あっぶない、まさかスキルが使えるなんて」


「他にもどんなスキルがあるか分からないから注意しろ」


「ええ」


『スキル~火炎放射~』


「チッ、また来る!」


「あ……!イリス!あれをガードで跳ね返せる?」


「は?……そういう事か」


イリスはその場で深呼吸をし、相手のスキルが発車されると同時にスキルを発動した。


『スキル~ガード~』


「バンッ」


予想は的中し、火炎放射はイリスのガードに跳ね返され魔獣に当たった。魔獣は火炎放射により炎に包まれた。


数分後バタリと倒れた。


「や……やったのか?」


「うん。丸焦げになってる」


魔獣の死体に近づきその場でしゃがんでつつく。特に反応はない。


「あんまり触るなよ?害があるかもしれないんだからよ」


「大丈夫よ」


「二人とも!大丈夫だった?」


ライが駆け寄る。


「うん。おかげさまで!」


「良かったぁ、無事倒せてよかったね!」


「けどなんで4級じゃなくて、2級がでたのかな」


「もうひとつ疑問がある。2級ってこんなに弱かったか?一瞬で倒せたじゃないか」


イリスの言う通りだ。魔獣と初めて会ったが初心者でもわかる。2級がこんな呆気なく倒せるわけがないだろうに。


元々日本にいた頃はゲームが大好きだった。そのおかげで、さっきのような跳ね返る攻撃も思いついた。


しかし、ゲームの中での2級もこんな弱くはない。あくまでもゲーム上の話になるけれど。


「ゲームも時には役に立つんだね」


「は?何言ってんだ?」


「あ、なんでもない。どっちにしろ倒せたんだから問題ないでしょ!早くこのことを伝えよ!」


「それもそうね。確か倒した魔獣の写真を撮れば報酬が貰えるはず…館で確か写真機みたいなのを貰ったのよね」


するとライは人差し指を出して、空中に丸い円を描いた。ライが書いた円は次第に、大きな穴が開いた。


「それが無空間?」


「そうよ。自分の手で空間に丸い円を書くとそこに空間ができるの」


「すごい」


「えっとね、確かここに入れてるはず」


腕を空間の中に忍ばせてゴソゴソと漁っている。


「お、あったあった」


スポっと腕を出す。手には四角い写真機を持っている。


「はい、パシャっとこれが自動的に館へと繋がって写真を送ってくれるんだって。便利だよねぇ」


「それもスキルなのかな」


「そうなんじゃないのかな」


「おい、早く帰ろうぜ。腹減った」


イリスが隣で拗ねている。子供みたいだ。


「じゃあ帰りは私の瞬間移動で帰りましょ。まず明星の森を出て、そっから8kmごとに移動すればすぐ着くわ」


「ありがとう~、ライ」


「私は戦いではなんにも役に立ってないから。この位はしないとね」

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