女神の気まぐれで異世界に転生しました~異世界生活も悪くないかも~

〜初心者ギルド開設！〜2話

館を出て手に地図をもちいざ明星の森へと出発した。街を出るまでは馬車で移動した。馬車代はまたライが出してくれた。深々と頭を下げて馬車に乗る。

「街から出るにはまだまだ時間があるから少しお話をしてよ！まずはスキルについて細かく言っておこ！これから一緒に戦うんだし仲間のことをよく知っておいた方がいいものね」

「確かにそうですね」

元気にハキハキと話す。イリスは何も言わず外を眺めていた。ライの話をちゃんと聞いているのかわからない。けれど、それでもライはペラペラと話し始めた。

「私のスキル瞬間移動は移動できる距離は8kmまで。そして、移動できる場所は私が一度見たことがある場所。自分が覚えてなくても私の中にある"マナ"が覚えていたらそこに瞬間移動できるわ」

「マナって何ですか？」

「マナは生まれた時に全ての人にあわられる、エネルギーの塊。私たちが持っているスキルはマナがあることで発動できる。そして、マナが強いほどスキルは強くなる。そしてマナは記憶を持っている。マナを辿れば自分では覚えていない記憶を呼び起こしてくれることもある。まぐれでマナを持たない者もいるわ。マナは使いすぎると体に負担がでるからスキルの使い方には注意することよ。人によってマナの扱える量は違うからね」

スラスラとマナのことを教えてくれる。マナというのはすごいものだと感心した。今自分が持っているスキルもマナのおかげなのだと知ることができた。

「マナは私たち転生者にもあるんですか？」

「ええ、誰にだってあるわよ」

「すごい…」　

「俺のマナは人より倍強いぞ」

さっきまで黙っていたイリスが急に話し始めた。

「この世界にやってきた時に早速試したが俺のスキルはくそ強い。お前らなんか一瞬で倒せるぜ」

一人自慢している。ここは誉めたほうがいいのか。対応の仕方が分からず、ルーミとライは黙ってイリスを見つめた。

「おい！なんか言えよ！」

「えーっと…ワースゴーイ」

「そんな心のこもっていない言葉なんていらないわ！」

「いや、なんか言えって言われたから…」

「言い方ってもんがあるだろ！」

「…私は人の気持ちとかよく分かんないから…」

ルーミは俯き小さくいう。イリスは触れちゃいけないところに触れてしまったと慌てて話を変えようとした。

「あ、えっと、スキルのこと話してたんだっけ？俺はガードと恨み。ガードはそのまんまの意味。恨みは自分が恨みや怒りが強ければ強いほどその人への攻撃力が増す。これくらいだ」

「恨まれないようにしとこ」

ボソッとルーミが言った。

「じゃあ次はルーミね」

「私のスキルは武術と剣術の才能とリカバリーよ。アヤに選んでもらったから詳しくはよく分からない」

「何で自分で選ばなかったんだよ。もっといいのあっただろ」

なぜかイリスが不満そうに口を尖らせていった。

「だって多すぎてどれにすればいいか分かんなかったから…」