5-2

「もしもし?」


「やっと出たわね!さっきまでみっちゃん居たでしょ!なんで呼んでくれなかったの⁉」


「なんで呼ばなきゃいけないんだよ…。というかやっとってさっき言ったけど一回しか電話は鳴ってないが?」


「そんなことどうだっていいわよ!なんで呼んでくれなかったのか聞いてるの!」


「あー、わかったわかった。今度は呼んでやるから。」


「何よその発言!もう!」


適当に彼女の話を流し電話を切った。


時間も時間だから学校に向かわなければ。


着替えていつも通り学校に向かい教室に行くとそこには不貞腐れてるように顔を腕に埋めている可奈芽と思い出したくもない人間がそこに居た。


そう、小暮だ。


というかなぜここにいるのか。


確かに警察に引き渡し今学期中の謹慎になったはずだ。


今はまだ謹慎中のはず…。


それからの自分の行動は速かった。


すぐにその場から離れ彼女のもとに向かった。


向かいながら可奈芽にも連絡。


有無を言わせず来させる。


今までの傾向からして人がいるところでは問題を起こしてこない。


つまりあのまま教室にいるほうが危ないのだ。


彼女の教室はこの階段を登った先だ。


「ちょっと!なんで急に来いって言ったの⁉」


「説明は着いたらするから今は急げ!」


走ってきた可奈芽への説明を後回しにして階段を登りきり教室へ駆け込む。


いつも通り彼女以外はこの時間にいなかった。


「律都くん、小暮がいたって本当…⁉」


「ああ、なんでかは分からないけど…」


自分と彼女が深刻そうに頭をひねっていると可奈芽は訳も分からず混乱していた。


「ちょっと待って!何がどうなっているのかわからないのだけど⁉」


「あぁ、そっか。可奈芽は事件の時居なかったね。」


それから可奈芽に数日前に起こったあの事件について話した。


自分がされたことと逮捕劇、その後の処罰について。


包み隠さずすべてを話した。


「つまり彼女はヤバい奴で今はいるはずのない人間だったってことでいいのよね?」


「それで合ってる。人がいれば良かったがこの時間帯だと誰もいないからここに集まったって訳」


「なるほどね。理解したわ。けどどうするの?これ、普通にヤバいでしょ」


「そこなんだよなぁ。今やれることがないしどうしたものか…」


「ところでみっちゃん。なにやってるの?」


彼女のほうを見るとブツブツ言いながら紙に何かを書いていた。


「ん、ああ、ごめん。とりあえずどうするか考えていたんだけど解決策が一つしかなかったのだけど言っていいかな?」


自分と可奈芽の了承を得て彼女はしゃべりだした。


「前提条件なのだけど小暮に君の住所、通学路はばれている。昼間はいいけど放課後に一番危険なのは明らかに君の家だ。


そこで提案なのだけど今日から今日から脅威が去るまで私の家に泊まらない?


「「え、ええええええええええええ」」


自分と可奈芽のタイミングは綺麗に合わさった。


流石にこんな爆弾発言がでたらだれでもこうなるだろう。


「ちょ、ちょっと!待ってください!急にそう言われてもどうにもできませんよ!」


「そうよ!というかみっちゃん、家での立ち位置わかってるの⁉」


「二人とも落ち着いて。とりあえず言い方悪かったね。泊まるのは私の家の可奈芽用の別邸にだよ。」


再び投下された爆弾発言にまたもや二人の声が重なるのは言うまでもなかった。

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