2-4
翌日、今までの物は原付の中に入れておき普通に登校した。
今日も今日とて入っていた。
今日はスク水が入っていた。
彼女は水泳部だったはずだ。
幸い濡れてはおらずロッカーが水浸しと言うことはなかった。
しかしいつもどおり写真と股の部分は濡れていた。
昨日と同じように袋に入れ放置しておいた。
写真は証拠物品としてケースに放り込む。
周りを見渡し当人が居ないことを確認。
教室に居るかもと思い行くも誰もいない。
流石に学校には来るらしく授業には参加していた。
話しかけようとしたが女子に囲まれている為出来なかった。
放課後まで待つもその瞬間は来ずそのうち帰って行った。
仕方なく帰ろうとすると約1週間ぶりに嵯峨野可奈美が現れた。
「やぁ、虚無主義の変態君」
「唐突に現れるのを辞めろ。というかそろそろ名前で呼んでくれないか?」
「それもそうだね。律都君」
「いきなり下の名前ですか、そうですか」
もう溜息しか出ない。
「それで宿題の答え分かった?」
「一つだけ分かったよ。」
「ほう、それで?」
彼女は驚いた顔をした。
「それは一般人には分からないって事だけだよ。」
「つまり分からなかったって事ね。」
「そうとも言う...」
彼女は呆れたような顔をした。
「それなら素直に分からないっていいなよ。そんなとこも好きだけど。ところで何か困ってる事があるでしょ?」
「ああ、これだ。」
彼女の前に全てを出す。
「分かっては居たけどここまでとは...」
そういい彼女は手紙を読み出す。
「これで全て繋がったわ。君のロッカーをイジってる女子を見つけたけどこんな事をしていたとはね。それと自分にもこんな手紙が。」
彼女はカバンから茶封筒を取り出しその中には同じ筆圧の手紙がある。
それにはこうあった。
「私の愛しの彼氏に近づかないでこのビッチ。
怪我する前に別れなさい。」
そんな事が書いてあった。
「これって...」
「まぁ、脅迫よね。」
「そういえばもしかしていつも追いかけてくる原付は...」
「それも大方彼女でしょ。他になにかなかった?」
「初めて茶封筒が来たとき髪の毛と謎の毛、そして何書いてない紙があった。」
「完全に彼女の毛ね。謎のは多分下の毛よ。何も書いてない紙は○○でも塗ってあったんじゃない?」
「もしかして今見られているんじゃ...」
「それはないわ。けど...」
そう言い出すとおもむろに座り込み自分の原付の後ろにある泥除けの裏を探り出す。
「やっぱりあった。GPS付き盗聴器。こんな高いもの付けとくなんて」
「もしかしてずっと音が鳴っていたのは」
「これね。聞こえているかしら小暮さん、もう諦めて出頭しなさいな。」
盗聴器に喋りかけると同時に自分に不通知で電話がかかってきた。
電話に出ると小暮真紀だった。
嵯峨野はスピーカーに変えろと小声で言ってきてスピーカーに変える。
「よく分かったわね。嵯峨野さん。」
「そりゃぁ自分の彼氏の危機ですからね。変態ストーカー魔の小暮さん。」
「あなたには言われたくないわよ!このクソビッチ!」
「ビッチはあなたでしょ?」
そういい小暮が舌打ちをして電話を切っていった。
「外部音がしていたわ。多分エンジン付けて待っている状態だと思う。」
「だから急に後ろに現れるのか...」
「そういう事ね。とりあえずこれは全部持っていくわ。こんな物があったら親御さんに疑われるでしょう?」
「そうして貰えると助かる。俺も置き場に困っていたんだ。」
「今日は多分何もないからこのまま帰ったほうが良いわ。念の為いつもと逆方向に向かってね。それじゃ。」
彼女は証拠物品を持ち帰っていった。
彼女に言われた通り逆方向に向かって遠回りして帰った。
今日は追いかけられずに済んだため良かった。
しかしそう簡単には終わらない。
今日は茶封筒ではなく大きい箱があったのだ。
大きいと言っても郵便受けに入る程度である。
宛名が無いと言う事はつまり小暮からだろう。
嫌な予感がぷんぷんしつつまた開く。
今日は手紙とうちの学校ではない制服とジャージが入っていた。
勿論下着もセットだった。
手紙にはこう書いてある。
「何なのあの女!
私の律都を取っていって!
あなたは私の方がいいよね?
何でもしてあげるよ?
今日は中学の時の制服とジャージを送りました。
だって送ったものは全部あのビッチに持って行かれたからね!
勿論全部○○〇済みです。
下着もだよ!
もしこれだけで興奮出来ないのであればこの番号に電話してすぐに家に行きます。
勿論中で出していいからね!」
そうして最後に電話番号があり手紙の裏には写真が3枚貼ってあった。
長袖と半袖のジャージと制服でやっている写真が。
箱に戻し厳重に封をして封印する事にした。
明日こそ相手に全て突き詰めてやろうと決意し寝ることにした。
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