1-3
そうしてまた次の日。
自分は一箇所に居続ける事にした。
動き回らなければ会うこともあるまい。
これで目が合う人間を減らせるはずだ。
とりあえずあんな子は居なければ似た感じの人間も見当たらない。
それからというもの同じような事を数日間行った。
場所を変え、時間を変え行った。
最終日には目が合う女子は居なかった。
これで何人かに絞る事はできた。
これで何とかなるはずだ。
「やっと私の正体が分かったかな?鈍感君?」
「とりあえず君と目は合ってない事はな。」
「ダウト。それは無いわ。」
彼女は笑った。
「それはないな。俺は「君と」と言った。だが君で無ければ?例えば君をAとした場合目を合わせてはいないだろう。だがBとは目があった。そしてA=Bであった場合は?」
「目が合っていると言いたい訳ね。」
「そう、君にブラフをかけて正解だった。そうでもなければ君の正体に気付けなかった。君の正体は3年5組17番、嵯峨野可奈美。君がまやかし女の正体だ。」
「正解、やっと分かったのね。その通りよ。まさかブラフをかけられるとは思ってなかったわ。」
「苦労したよ。だって髪型は違うわ、輪郭は違うわで分からなかったけど髪を下ろせば輪郭を隠すことが出来るからね。まぁ決めては極端に外部との接触を減らしたのに目が合う人物を探したからだけど。」
「本当にあれには参ったわ。あなたの目を無理にでも合わせたいけど合わせてくれないのだもの。よく言うじゃない7秒合えばいいって。」
「だがそれはない。まず目が3秒以上合うことが稀だ。」
「それもそうね。これで私の正体は明かしたのだから君の答えが知りたいな。言っておくけど私の進学先は君と同じだから遠距離にはならないわ。」
彼女はそういい首を傾げた。
「そうだな。個人的には「yes」といいたが君は確か彼氏がいたはずだが?」
「それこそ嘘よ。だって面倒くさいのが近づくのは嫌なんですもの。しかも違和感は無かった?恋人がどこのクラスいや、どこの学校とは明言されてないのよ。」
「なるほど。それなら納得が出来る。でもどうして俺なんだ?」
「それは、おっともうこんな時間ね。もう帰らなきゃ。続きは宿題と言う事で。」
こうして彼女は帰っていった。
「まったく何なんだよ...」
また時は過ぎていく。
彼女と初めて会ってから2週間は経っただろうか。
つまり後2ヶ月半である。
偶然か必然かこんな自分に彼女(未遂)が出来たのだった。
って彼女ができるって普通こんな感じか⁉
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