第3話




『 非常に強い低気圧が接近しています

春の嵐となりそうな強風と大雨……河川の氾濫等、じゅうぶん注意して下さい……続きまして… 』



「 傘、忘れずにね~ 」


「 うん… 」



玄関を出て空を見上げると、どんよりとした雲が一面に広がっている。


なんとなくブルーな気持ちで、いつもと変わらない景色の中、トボトボ歩きで堤防沿いの道を歩いていた。


橋をわたりかけたその時、何気なしに目線を下げてゆくと、河川敷に小さな白いものがふわふわと飛んでいるのが目に入った。



なに…



その、白いものに誘われるかのように、 気がついたら堤防の斜面を滑り落ちていたのだ。


そして、吸い込まれるようにその場所へと近づく。


さっき飛んでいた白いの、どこへいっちゃったんだろう。


河川敷に降り立つと、その、白いものは消えてなくなっていた。


辺りを見回したけれど何もなく、川の水の流れる音と、風になびく雑草達のお喋りが聞こえてくるだけ。


… ひゃッ…


私の後ろに何かの気配を感じた。


おそるおそる、後ろをふりかえってみる。




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