ナトラシーヌ自然保護区
マトリエの国境を西へ越えると、
まるで街中の
クラウディアとマトリエの両国間に拡がるナトラシーヌ自然保護区は、近隣十数ヵ国で構成された連盟によって『
その面積は広大で、鮮やかな森林、メルヴェイに負けぬ美しい
この地が各国によって保護区に認定されたのは、その
孤立した島でも無く人類
クラウディアやマトリエ、北のメルヴェイに位置するガリヤなどに囲まれているにも関わらず、何故かこの地に限った動植物の固有種が存在するからだ。
人は自身の理解の及ばぬものを恐れ排除したがる。しかしあまりに強大だと
この地は学者のみならず人々の
かつての帝国主義ダルキアでさえ、この地だけは手を出さなかった。
この地は誰のものでも無い。もちろん戦闘や破壊行為は認められていない。そんなことをしようものなら近隣連盟から
クラウディアとガリヤの戦争が非難されたのも、ここに
一つ足を踏み入れるにしても連盟の通行許可がいる。
そして生態調査の場合、さらなる学者認定証が必要だ。近隣国から選ばれた保護区監視員が各地で目を光らせている。
私とリヒトは、当主が口添えして発行してくれた通行の許可証により、この保護区の通行街道を歩いていた。自然保護の為、通行許可証で歩けるのはこの路面だけだ。
深く茂る森林や広大な草原に立ち入るには更なる学者認定証が必要になる。もっとも、知識も無しにこの街道外へ足を踏み入れようなどとは恐ろしくて思わないが。
しばらくリヒトと談笑しながら進んでいたところで、私達は人の言い争う現場に出くわしてふと言葉を止めた。
この路面の要所要所に
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