カッコの過去
「でも肩書きがそうだとイメージ先行しちゃうのかな?私そんな良いもんじゃないわ。そもそも看護科受験の時も
「でもでも!だからこそ余計に尊敬しちゃいます!地区看になった時だって嫌がらせされたんでしょう?当時の
「そりゃもちろん、私は命に対して失礼な看護師なんかでいたくないもの」
興奮するルビーノの
そうだ……。
私が
私はその
医療とは名ばかりの、治る見込みの無い入院患者さんのお世話とお
正直、皆が嫌がる仕事だった。
当時の医師と看護師の
看護師は医師に言われたことをするだけの道具。そんな現場は
でもイジメや嫌がらせより、何よりも
ずっとずっと
───ラズリ様の教えはどこ?これが世界に
私は悔しくて毎日泣いて泣いて、それでも自分に出来ることを……と思い
背中を
周りから馬鹿にされても変わり者扱いされても、患者さんの笑顔を見れたら気にならなくなった。時には自宅で
だって、もう長くないからって、幸せに笑える時間を
むしろ笑って
ある時、心臓を悪くして入院してた
もう長く持たないってなった時に、学問
──ここは、まるで死神を待つ
そう言った時のおじいさんの顔が今でも忘れられない。私は絶対にこの人の笑顔を取り戻すんだと思って、毎日必死に
時間は
驚いた医師達は
もう駄目だと言われていた彼はそれからも少し長く生き永らえて大好きな数学の新たな論文を発表。
国にも
偶然だと思っていたけれど、それから私のいた
その数学士のおじいさんが私の話を医学界に話してくれていたこともあって、
今では
今思えば、この時の経験が
「それに比べて私は……ルワカナにもリヒト君にも何もしてあげれてないです……」
またシュンと
「ダメよ!ルビーノ・ヴェスパ!……しっかりなさい。
私はルビーノに語りかけながら自分に対しても強く言い聞かせた。
「そんな顔してたら患者さんも元気なくなっちゃうわよ?笑顔を作るのは笑顔。命を輝かせることが出来るのは命だけよ?」
私はそこで自分の言った言葉にハッとする。
「そうだ……」
───そうよ……。とっくにわかってたことじゃない。命と命……。
私も悩んでる場合ではない。ピアナ様やダーにだって何度も言ってきたことだ。子ども達にも笑顔を取り戻したいと。
───しっかりしなさい、無敵のカッコ。これは私の医療だ!心ごとぶつかって行け!
「はわわわ……せんぱぁい、カッコいい……大好き……」
ルビーノはまた
───あらま……ドサクサに紛れてキスまでおねだりしてやがるわ……。
「ルビーノ、案内してちょうだい!」
私はそれをスルーして
「えぇぇぇ?ガン無視……。でもそれも素敵……。てか、先輩どこ行くんですかぁ?」
「
そう……私達で足りなければ、もっと強く輝く笑顔の力を借りればいい。
私は青空の下、風に押されて階段を
ルビーノも
「先輩!そんな所連れてったら……、リヒト君ショック受けちゃいますよ?」
「リヒトなら大丈夫。あの子達の力を貸してもらうの」
私達は急ぎ足で
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