カッコとルビーノ
屋上から
とりあえずレノンも連れて来て良かった。
リヒトも歳下の子の相手をしてくれている間は、少しくらい気も
さぁ、今のうちに作戦会議だ。
「ごめんなさい。わざわざ先輩まで来て下さったのに、私何も役に立たなくて……」
「仕方ないわよ、本人の意思なんだから。ルビーノはお仕事大丈夫なの?」
「私は大丈夫です。先輩達来るからって少し
「悪いわね……。でもどうしようかしらねぇ」
私は
あれやこれやと少し考え込んだ。
「あの子……東の生き残りなんでしょう?教えに
ルビーノは隣で
ルワカナの治療のためここに飛び込んだ際、ピアナ様はここの医師にすら
もちろん秘密厳守を約束に。特に看護師は患者の内面にも寄り添わなきゃいけないから。
ルビーノは口も固いし、人としても信頼に足る素晴らしい看護師だ。だから私も彼女を推薦した。ちょっと変態だけれど……。
先程ルワカナとの二人三脚の日常を少しだけ聞いたけれど、口外禁止を約束にお互い良い関係を築いて過ごしているらしい。
彼女はスルグレアの裏の実情を知る数少ない看護師だ。
「まだ小さいのに……すごい意思。そんな子のいるアリア孤児院、医療院でのお仕事はどんな毎日なんですか?」
「ん?私ぃ?……リヒトみたいに、子ども達の中に少し心配な子もいるけど、孤児院の子も通院してるどの患者さんも皆、基本的に明るいかな。毎日バタバタよ?」
ルビーノは私の顔を
「あのイータさんもいるし、その娘さんまで研修でいるんでしょう?アリア医療院、今すごいバリバリ仕事出来る人達が
イータ師長は看護師
私は普段の医療院の日常を振り返って少しだけ困り顔をした。
「あ~、確かにイータ師長はすごいんだけど……。娘のラキムがねぇ……。まだまだなのよ」
「でもあのイータさんの娘さんでしょう?」
私はラキムの
「確かに勉強は優秀だし、仕事も少しずつでもしっかりやる子よ?でも致命的な欠点があってね、血が駄目なの……」
「ええ!?」
「性格も体型も
「それは大問題ですね……。でもやっぱり先輩はすごいなぁ。子ども達のみならず後輩の面倒見まで良くて」
ふと横を見るとルビーノの顔がみるみる内に沈んでいった。
「それこそ……私こそ駄目です。いつまで
「ちょっと……。アンタまで落ち込んでどうすんのよぅ。それに私、立派なんかじゃないわよ。今でもいっつも反省して無力感ばっかりよ」
思わず溜め息が
「そんなこと無いです!今の若い看護学生達の間でカッコ先輩を知らない人なんていない。
「え?そうなの?」
「そりゃ、そうですよ!先輩は
「ええっ?」
そんなに偉いものではないと思うけれど。
毎日お仕事ばかりで私は全く知らなかった。
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