変態
「い、いい加減なさいベベネディ!お前にはビビビルオレア区民としての
そこでベネディはようやく顔だけをカルナドの方へと向ける。
「私ベベネディじゃなくてベネディです。それに……」
ひどく無表情に、そしてとても冷やかな
「私スルグレア区民ですけど……」
「はぁ?」
それは、今までの姿が嘘の様な
「幼い頃に両親を亡くした私達の面倒を
彼女の右眼に
「ベネディ……。右眼、
「やだ……。私ったら……」
興奮して発動してしまったであろうクラウディアブルーを私に注意されると、ベネディはさも恥ずかしそうに目を閉じて赤くなった
最近の子は怖い。これならば
それにしてもカルナドは本当に徳を積んでいない。
ポカンと口を開けて何も言い返せないカルナドに悪いと思いつつ、私は少し笑いを
「それではピアナ様、詳細は追ってお知らせ下ティー。兄貴、早速来月の予定表変更に行っくティ」
「取りかかろう。ピアナ様、失礼致します」
深々と礼をするサンクトの腕を引っ張りながら、ベネディは私達にウィンクをして兄
まるで嵐だ。ベネディは小さな頃から明るい子ではあったが、久々に再会した彼女はさらに
しかしカシミールのことも
ただし
罪を背負わせる訳にはいかない。
私は少し力の抜けた肩をカルナドに向け直した。
「これで話の筋も通ったな。感謝するよ、カルナド」
カルナドは
「ああ……私は、なななんと罪深い。
───あ、これはマズいな……。
礼を言い、挨拶をして去ろうと思ったが、どんどん大きくなるカルナドの震えに私は
早く去った方が良さそうだ。
「カルナド、失礼するぞ?」
「あ、ああ……ラズリ、罪深き
───あ、こりゃ駄目だ。手遅れだ。
「お
彼は次第に声と震えを大きくすると、
───あ~あ、始まってしまった……。
いきなりのことにカシミールが驚いてピオッジアに
「いいよ」と手で制止するとキョトンと私を見つめた。
「ああ!ラズリよ!お
カルナドはバラ鞭で自身の背中を叩き始めた。
「え……?」
カシミールは
「この自身への!ああ!……罰を
カルナドは極度にビルオレアを馬鹿にされると人が変わった様に怒る。
そして極度に罪悪感を感じて気が
「ラズリよ!ああ!
カシミールは
彼女を連れて来たくなかったのは『プレアデス』というデリケートな話もあったからだが、それよりも
───うわ……痛そ。
しばらくカルナドは
しかしそのうちに、その声と顔は
「あん!ラズリ様ぁ……んああ、ラズリ様ぁ……」
毎回これだ。これでは罰では無くご
それを見たカシミールは、ひどく
「え?何?……キモい……変態……」
私は静かにカシミールを
「これこれ変態だなんて……仮にも2区の当主様に、そんな口を
「ごめんなさい……姉さん」
「ド変態なんだから……」
この日、カシミールの人生の辞書に新たな項目が追加された。
──ビルオレアには変態が多い
私達2人はそのまま静かに鞭の音が響く部屋を後にした。
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