ベネディ
「頼む……」
「ス、スルグレア……」
「姉さん……」
カルナドとカシミールが静かに
カルナドは真剣な面持ちで熟慮してから、やがて思い切りよく口を開いた。
「ダ、ダダ、ダメだダメだ。そう言って今回に限らず、そそその次からも
ようやく出たカルナドからの言葉に私の
───あぁぁぁんっ?コイツは本当にルルゴアルルゴアって
───当主の
私は歯を
「とと、とにかく防衛に関しては議会を通してだな……」
私はうだつの上がらないカルナドに頭を下げたまま、
そしてボソッと静かに言った。
「2区の工具は
鉄工業でセイリオスに遅れを取ったビルオレアを
ピクリ……とカルナドが固まった。
私はゆっくりと頭を上げ始めた。
「2区の料理は
特別美味しくもなく他区民に食べ物を残されるビルオレアの料理を
カルナドは口をパクパクさせた。
私はゆっくりと頭を上げきると、
「2区の当主は
説明不要である。カルナドは
「キ、キキ、キアァァァッ!」
ふと気付けばサンクトが
「3区がなんぼのもんやねん!ビビルオレアちょす奴ぁ出てこんかい!わや豊かな土地だぎゃ!じゃけぇ、そちも助けを求めたで?よし良かろう、ルルゴアなんちゃあない!それくらい楽に協力してやるたい!」
───おお……ちゃんとつっかえずに喋れるじゃないか。少し
しかしどこの言葉だろう。何か色々混ざっているのか、この語学士ちょっと何言ってるかわからない。
人も変わってしまっている。
───でもとりあえず返事は「可」ということだね?……しっかりと聞いたからな?
「ありがとうカルナド、恩に着る」
「ハッ!い、いや……」
ニコリと微笑むと、カルナドは「しまった!」と顔に出して固まった。
相変わらず
カルナドは慌てだし、さらに
「し、しし、しかしだな、い、い、いくら私がみみみ認めても、ほ、本人達が拒、拒否してはだな……」
「はいはいはーい!私行きます!はーい!はーい!」
その瞬間、ガチャリと扉を開けて1人の女の子が手を挙げながら部屋に飛びこんできた。
「ベ……ベ……ベネディ!」
カルナドは泣きそうな声で叫ぶ。
そんな彼など
「ピアナ様ぁ、お久っティ!」
「久しいな、ベネディ」
ベネディ・メイア。
サンクトの妹だ。プレアデスの1人。
兄には無かったが、彼女はクラウディアブルーの力を右眼に
その頃から明るかったが、言葉使いからしてすっかり
最近皇都では年頃の女の子の言葉使いが
しかしこう見えてピオッジアを
───盗み聞きしていたな?
「ベ、ベネディ!か、か、勝手な事はするな!」
カルナドが叫ぶ間にベネディは私から瞬時に離れサンクトの元に移動すると、手を握って見つめ合い、2人
「兄貴……。私やっとピアナ様に恩返しする時が来ティー」
「そうだね……。良かったねベネディ。しっかり恩返しするんだよ?」
「イェッティ」
───え?……歌劇?
それは
そもそも「ティ」とは何だろう。これが噂の流行り言葉なのだろうか。本当に最近の
そしてカルナドを完全無視である。こいつはこれ程までに慕われず
「そそそんな言葉使い、いけません!語、語学への侮辱だ!」
カルナドの叫ぶ間に、彼女はまた瞬時にカシミールの前まで動いた。
今度は真剣な
「カシ……。久しぶり……」
「うん……」
カシミールはひどく気まずそうな顔で下を向く。
ベネディも先程までとは打って変わって、真面目な声でモジモジと照れながら言った。
「私達、いつでも側にいるからね。いつでも待ってるから……」
「ダメよ、私は……私なんか。それに、ドミナが許さないわ……」
カシミールは悲しげに目を細めた。
「ううん、そんなことない……。それにカシのペースでいいの……。今回、私ピアナ様のお役に立てるなら嬉しい。でも、カシの邪魔だけはしないようにはするから……。いいかな?」
「う、うん……。
私はカシミールが納得してくれたことに
ベネディで良かった。キャラはこの有り様だが、カシミールも
もしかしすると
私は心の中で彼女に礼を言った。
───しかしだな、ベネディ……。
───歌劇……?
その様を見つめていたカルナドが、いよいよ
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