予想外
到着するや
「ピアナ様!新年明けましておめでとうございます!
馬車を降りた私に
「カッコせんぱぁいっ!」
「ルビーノォ!久しぶりぃぃっ!」
「あわわわ……、カッコ先輩の私服姿……」
2人は
ここの医療院に緊急でルワカナを運んだ際にカッコから指名を
「アンタ何ぃ?髪バッサリ切ったの?」
「えへへぇ……。カッコ先輩とお
───あ……それで前来た時にカッコの髪型を
デレデレと笑いながらルビーノはミディアムボブにした自分の髪を
カッコが
私のいない間も見えない努力をしてくれていたのだろう。
「ハァ……ハァ……。ピアナ様とカッコ先輩の
彼女は私達を見ると
私もカッコも何故か女性にモテる。
カッコはルビーノの肩をバシバシと叩くと、院内へ彼女の背中を押して歩き出した。
「あぁ、はいはい、それはいいから。早く案内して」
「ハァ……ハァ……。懐かしの塩対応……。もう死ねる……」
見せてはいけないものだったかもしれない。リヒトとレノンは少し青ざめて固まっていた。
「会わせられないぃぃぃ!?」
応接室にて、話の初っ端からカッコは声を荒げた。
ルビーノは涙目で指を口元に当てる。
「先輩、院内は静かにぃっ」
「なんでよ!」
「本人たっての希望なんですぅ……」
ルワカナとの再会を期待していたリヒトはひどく残念そうな顔をして声を
「どうして?」
私も頭を
まだ病床にいるが経過は順調。小声で疲れない程度なら会話も可能にはなっていたが、まさかこんな展開は予想していなかった。
「聞き分けのない子どもは医療大全ぶん投げなさい!それで言うこと聞くから!」
「カッコ、落ち着け」
私はカッコを制止する。
静かに
聖典から進化している。酒の席ではあのように言ったが
しかし困ってしまった。双方にとって励みになる面会であるし、少しでもリヒトが元気付くと思ったのだが、これでは
「何故なんだ?会いたくない訳ではなかろう?」
「もちろんです。ねぇリヒト君。ルワカナは毎日君のことばかり話してるの。本心は会いたくて仕方がないのよ?」
ルビーノは私からリヒトの方に視線を向け直して言う。
「君のこと毎日心配して
ルビーノは優しく丁寧に語りかけてくれたが、リヒトも予想していなかった展開にすぐに
「ルワカナは、今の僕のことを知ってるの?」
「少しだけね……。ピアナ様と話させてもらった」
「僕、嫌われちゃったのかな……」
「あり得ないわよ。毎日話すのよ?君の話ばかり。それに……代わりにって、手紙も預かってる」
ルビーノは優しく微笑みながら折り畳まれた手紙を手渡した。
リヒトは大切そうに両手で受け取ると、驚いた顔でまじまじと見つめていた。
「ピアナ様、ちょっと」
カッコはそこで私を応接室の外に誘い出し、廊下の
「これでは予定が台無しですわ。でもピアナ様はもう一件大切な用事がありますから、リヒトのことは私に任せて下さい」
「いや、しかし……」
「信じて下さい。必ずリヒトに元気を取り戻してみせます。私は看護治療だけじゃない、人の心に寄り添う看護師でいたいんです」
「カッコ……」
私は暫くあれやこれやと悩んだが、
───そうだね……カッコなら……。
「わかった。頼むよカッコ。夕方には戻って来るから」
「はい。無敵のカッコ頑張ります」
「とりあえず本は投げないでおくれよ?」
「あぅ!」と
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