第9話 ビルオレアの奇人 (ピアナ)
自責
仮にも2区の当主様に
そんな口を利いちゃいけないよ
ド変態なんだから
───私が
皆が去ってテシトラだけが残った部屋で、私は握りしめた
「落ち着きなさい」
テシトラはいつもと変わらぬ落ち着き払った声で私を
決して
「わかっている!わかってはいるが……」
やはりこの少人数で、
圧倒的人材不足。
もし仮にノヴォが此処にいてくれなかったら、既に防衛など
そうでなくとも、あんな小さな子達まで危険に
全て私が言い出したことだ。二度と戦争など起こしてはならないと、皇室議会にてスルグレアの単独自治、単独防衛に関して
事情もあり
私は浮かれていたのだ。
皆の愛に甘え、リヒトの事にしても
私は自分に
「理想と意思を
テシトラは
私がリヒトに
「力とは、強さとはなんでしょうな。過去を背負い
その声は私の耳に優しく溶けるように染み込んでいく。
「
それは
テシトラの言葉はいつも私の
頭ではわかっていても、人は時としてそれに反して道を見失う。
私は大きく息を吸い込んで椅子にへたりこむと、大きく息を吐いて天井を見上げた。
「一つ一つ念を入れて
「そうですな……まずは冷静に。何より無事で良かった。あの子達の
テシトラはそっと目を閉じた。
今年は新年早々から激しい幕開けとなった。
ノヴォ達から報告を聞けば聞く程に私の気持ちは沈み、その沈んだ分が跳ね返るように自分への怒りに変わった。
ヒンメルは脚を骨折。頭部からの流血は幸い大事に至らなかった。
あれだけの恐怖に
やはりお兄ちゃんだ。本当に強い子で頭が下がる。
むしろ心が心配なのはシエロだ。
懸命に勇気を振り絞った彼のおかげで、カシミールも命の危機までには至らなかったが、あれだけ緊張を張りつめた分、心に残った傷は相当なものだ。
優しい子だから
ノシロンは相当機嫌が悪かった。
負けん気が強い性格で、
報告もそこそこに去った。また隠れて
あんな若い子達に多くの
全てが理想通りに進むなど思わない。綺麗事だけで済むとも思わない。これは影の戦争なのだから。
しかし今回のは失態も失態、私の大失態だ。あのアリオス兄弟の
「次回に備えて地下の調査を洗い直さねばならぬ。
「今回、あの少年がいてくれたことに大変救われましたな……」
「ああ……。しかし……」
それだ。
いつもリヒトの話になると驚くことばかりだが、今回は本当に救われた。
前回のルカの言葉と自らの地下の見識から、いち早く危険に気付いてヒンメルとシエロに
さらには手投げ弾から2人を守った上に、あのルカに
しかし、それ以上に驚いたことがある。
「リヒトの父親が
「理解に苦しみますな。クラウディア人の屍人化など聞いたことがない」
「リヒトがガリヤ人に触れられることと関係があるのだろうか?」
知れば知る程にリヒトの謎は深まるばかりだ。
彼の父については、ノヴォが少しだけ
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