第29話大ハズレは何?
さらにどんどん進んでいるとまたもや曲がり角の先にあやしい木箱が…とその前にコボルドソルジャーが5匹もいる!
「お、多いね…。」
「5匹か、まぁいけるだろ!落ち着いていこうぜ、ケイ。」
ヘイトを請け負ってくれているのはカズなので、そのカズがいけるというならいけるのだろう。
「よし、ケイ攻撃頼む。」
「おっけー!」
カズがヘイトを取り切ったので攻撃に移る、1匹ずつ確実に仕留めていけば5匹でも大丈夫なはず!端から順番に倒していき、あと2匹。
ここまでくればもう余裕だ!
「あ!!」
なんて気を抜くとカズからヘイトを奪ってしまった。
「おっと、ハードアタック!」
すぐに取り返してくれて良かった…。
防御力がないに等しい僕なのでヘイトを持つ=死なのだ。
「カズ、ごめんね!」
「あれくらいなら全然大丈夫だ。スキル1発でヘイトを取り戻せるしな!」
ああいうときは逆にヘイト奪うくらい攻撃してもらったほうが戦闘が早く終わるんだと語るカズにうなづきながらモンスターのドロップを拾う。
ドロップに特に変わりはなくて、まだ一階層目だからかレアドロップとかもないみたいだ。
「木箱開けるねー」
こいこい!大当たりこい!
そう祈りながら木箱を開けると中に入っていたのはボロい布だった。
「お、これは!」
「え?!いいもの?」
「いや、1番のハズレだ。おめでとう。」
こ、こいつ〜!
「なんだよもう!期待しちゃった。」
「大ハズレを引いた後はいいものが当たるかもしれないだろ、じゃあこれは逆に当たりってことだ。」
うーん、そうなのかな?
まぁいっか。
えっと大ハズレアイテムはボロボロな腰布っていうとコボルドソルジャーかドロップするアイテムだ…。
たしかにこれは大ハズレかも…、そこら辺にいるモンスターがよく落とすものが入っていてもあまり旨味がないよね。
気持ちを切り替えて次々!
「ケイこっちにも木箱があるぞ。ってことは次の階も近そうだな。」
「ほんとだ!ここまで2つは僕が開けたから次はカズがあけてよ。僕、今の自分の運に自信がないんだよね…。」
「ハハハ、じゃあ早速開けるわ、、こい!」
カズならいいものを当てられるはず!なんかそういう感じの顔してるもん!
「これは、ヒュージスライムの魔石か…中当たりくらいか?まぁ当たりだぞ!」
「わぁ、やった!流石カズ!運が良さそうな顔!」
「え、顔?」
レッドベリルに似ているがより大きめのガラス玉のような物体がヒュージスライムの魔石だ。
「これはギルドに売るよりプレイヤーに売った方が高く売れるかもしれねぇな。」
「なるほど、露店とかで売るってこと?」
「それでもいいんだが、今回はベータ時代から攻略組やってるやつに持ちかけてみるよ。先にギルドで値段だけ確認しといたら大丈夫だろ。」
「おぉ!ツテってやつか。いいね!」
なんか仕事人ぽくてカッコいいな。ツテ!
僕にもいつか出来るといいな。
「宝箱を3つ見つけたし、そろそろ次の階に続く階段が出てくるはずだ。」というカズの読み通り次の階への階段はすぐに見つかった。
「階段を降りてすぐにモンスターがいるかもしれないから慎重に確認しよう。」
「わかった。」
ベータ時代に初見殺しのように階段を降りた先にトラップやモンスターが配置されていたダンジョンがあったらしい。
製品版でも残っているダンジョンらしいのでまた今度挑戦してみよっと。
「よし、大丈夫そうだな。森林ステージか…。」
「わぁ、一階と随分雰囲気が違うね!木のモンスターとかがいそうな雰囲気。あとは虫とかかな?」
「たしかに、虫モンスターはいそうだよな。虫、虫かー…。」
まだ芋虫モンスターから受けた心の傷は癒えていないみたいだ…。
「お!ケイの当たりだな。シィクトレントだ、ツルで攻撃してくるから頑張って避けてくれ!」
「よ、避ける?!がんばる!」
決して運動神経がいいとはいえない僕だがシィクトレントの動きは思っていたよりも遅く大縄跳びを飛ぶようにツルを避けることが出来る。
ゲームの中だとずっと飛んでいても疲れないため楽しくなってきた!
「もう少ししたらシィクトレントに混乱のデバフが付くから、その時に総攻撃だ!」
「任せて!!」
ツルの振り回しすぎでシィクトレントが目を回した隙をついてカズと攻撃を繰り返す。
ティントレントには物理攻撃がよく効くらしいので弓のスキルを使った方がいいかも!
「ハードヒット!」
「パワーシュート!」
カズが攻撃したのを見計らい攻撃を繰り出す。
流石にstrがMAXのカズのスキル攻撃の後だとヘイトを奪うことはなさそうだ。
「あと1発くらいだな。ケイ、頼む!」
「おっけー、パワーシュート!」
僕のラストアタックで無事シィクトレントを倒すことができた。ティントレントに比べて太いからか少し倒すのに時間がかかってしまったなぁ。
でも動きが遅いので避けるのは簡単だし楽しかった。
「うーん、レアドロップは出なかったか。まぁまだ一体目だしな。」
「そうだね、この調子で倒そう!」
ちなみにシィクトレントのドロップはこんなの感じだった。
・太い薪
街でよく使われている一般的な薪、使い勝手がいい。
・熟した木の実(シィクの実)
柑橘系の香りがする果物、酸味が強いが食べられないこともない。
シィクの実は食べられるものみたいだ。ミカンとレモンの間くらいの香りがする…。
二階層からはフィールド内にセーフティゾーンがあるらしいのでそこで休憩がてら食べてみようかな。
「カズ!熟したシィクの実ってのがドロップしたからセーフティゾーンがあったら休憩して一緒に食べよう!」
「そうだな、俺もまだ食べたことないから楽しみだ!」
目的地も決まったことでセーフティゾーンが見つかるまで宝箱探しも引き続きがんばろう!
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