第18話森の中での出来事

アップルパイ美味しくできてよかったな!

まぁ、味見の一切れ以外全部カズが持ってったんだけど…。



今日は何をしようかな、初心者ポーションの件はとりあえず解決したし


最近毎日一緒にいる気がするカズに色々教えてもらおうかな

今日もこれから待ち合わせだし。


「すまん、少し遅れた。」


「いや、全然待ってないよー。今日すること何も思いつかないのでカズについて行きます!」


「よし、わかった。とりあえず今日は俺たちの初心者装備をどうにかするぞーー!」


「おーー!」


すっかり装備のことを忘れてたや。

未だに簡素な防具のままで初心者丸出しだ。


「せっかくの初イベントを初心者装備で参加するのは嫌だからなー。」


イベント?ふーん、そんなのがあるんだ。


「ケイやっぱり知らなかったか…。俺が声をかけなかったら、はぁぁ。」


まぁまぁそんなため息つくなよ!

こんな日もあるって!


「いつもだから困るんだよなー。」


ん、なんのことかな?きこえなーいきこえない!




そのまま僕たち2人は西門まで歩いた。

西門から出ると森だった。

しかし、初心者の森とは違って暗くてジメジメしていた。


「ここは虫系の魔物が多くてな、防具の素材集めにはうってつけだ。何匹か同時に出てくるからソロではあんまりきたくねーって場所だな。」


虫系か…。ゴキブリとかクモとかいそうだなー。

こんなに暗いといるのに気がつかないかも。

そういや虫って言えば…、


「イモムシもいるの?」


「いいいいいイモムシ??ん?あ、あぁいるんじゃぁないかなぁー?

あはははははははははは…。」


死んだ魚みたいな目になった。


「………餌…。俺、…。またあの地獄が?はははは大丈夫、大丈夫だ。もしもの時の盾もいるしな、ははははははは。」


え?!盾って僕だよね?!イモムシに食べられる僕…だめだ、考えたらいけない。


「盾にされる前に全力で逃げなきゃ…。」


昨日の友は今日の敵、か…。




「ケイ、いくぞ!ファーストアタックは俺がしてヘイト持つから!」


そう言ってカズは走って行った。

カズとのパーティでの連携も少しずつ慣れてきた。

まだまだ食い違うこともあるけど今までソロで戦ってばかりだったことを考えるとたしかな成長がある。


こんなことをボンヤリ考えていると、大きなカマキリを連れてカズが戻ってきた。

カズは器用に相手の攻撃をかわしていた。

かわしては攻撃、攻撃を受け流してはカウンターを入れる。


おっと僕も攻撃しなくちゃ、


「ライトアロー、ライトアロー、ライトアロー。」



僕の3発目魔法の矢が当たったちょうどその時カマキリのHPバーが砕けた。

そのままカマキリは光になる。


「ケイー、攻撃するの忘れてただろ?次はなしだからな!」


「ごめんなさい、次はしません!」


そういえばさっきのカマキリを鑑定してなかったな。


「カズ、さっきのカマキリはなんていうの?」


「ビックマンティスだよ、そのまんまだよな。」


たしかにそのままだ…。


「ドロップ確認しとけよ?ビックマンティスは鎌を集めるからなるべく数を確認しといてくれ。」


「うん、わかった。」


早速確認しておこう。


ビックマンティスのドロップは…

大蟷螂の羽根×1

大蟷螂の脚×1


残念ながら鎌は出ていなかった。


「カズ、鎌は1つも出てなかった。」


「おっけー。じゃあ次からはペースアップして二匹づつ連れてくるから。」


一気に二匹は初めてだ。

でも僕は遠くから攻撃するだけだし大変なのはカズだよね。




そのまま30分ほど狩り続け大蟷螂の鎌が2人合わせて40個になったところで次にいく。

羽根と脚は今回使わないそうなのでこのまま冒険者ギルドに売ってしまうといいらしい。

今までアイテムをギルドで売れることを知らなかったのでカバンがパンパンだ。

ギルドには1人25枠の倉庫もあるらしい。

帰ったらすぐに行こっと!

お金のためお金のため。



「次狩るのはアーマービートルってやつだ。ようはでかいカブトムシ。

こいつからは鎧兜虫の鎧片を2人合わせて20個集めるから頑張るぞ!

硬いから物理攻撃があまり効かないかもしれないが仕方ないだろう。」


ふむふむ、矢があんまり効かないんだ…。

うーむ、初めてだけど魔法攻撃を使ってみるのもいいかもしれない。


「カズ、魔法も多分使えるんだけど素手で魔法って使えるっけ?」


「あ、そうか光魔法が使えるって言ってたな。

うーん素手じゃ無理だし、そこらへんに落ちてる木の棒使うか。

魔法1発につき1本必要だから多めに拾っておこう。」


そこらへんの木の棒でも魔法が使えるんだ!

便利そうだし木の棒はストックしてもいいかも。


「まぁステータスに全くプラスがないから純粋にintの攻撃力になっちゃうんだけどな。」


「なるほどー、そんな落とし穴が。」


1本ぐらい杖を買おうかなー、もしもの時に持ち帰れたら便利だし。

僕はdexにも振っているからintがめちゃくちゃ高いわけじゃないしね。


「よし、木の棒はこんなもんか。

カブトムシ狩るぞ!」


「おーーーー!」



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