第14話父さんのヘソクリ
ゴリリ、ゴリゴリゴリ、、、
あーめんどくさーい!
いくら手でも崩せるって言っても限度があるし、粉っぽい感じで使いたいからもっと細かくしないといけない…。
粉の塊でラムネみたいに食べたらどうかとも思ったけど、口の水分は奪うわ解けたときの味が劇物レベルだったのでダメだった。
うーんクッキーみたいな感じにしようかな…小麦粉を買ってきてそれに混ぜて。
効果は少し落ちちゃうかもだけどあの味よりはいいかも。
やっぱり塊はないくらい粉にしないとだよね…劇物レベルな味の塊が残ってるなんて飛んだロシアンルーレットクッキーになっちゃうし。
「あーーっ、やっと粉にできたー。」
かれこれ2時間一心不乱に削っていた。
ゲームの中なのにこんな重労働…もっといい方法がないか探してみようかな…
この方法じゃクッキーとして売ってもコスパが悪い気がするしね。
今の時間は…と、うわぁもう3時じゃないか。
起きたのは遅かったけどいい加減お腹が空いたな…遅めのお昼にするか。
ピッブゥゥウン、
「ふー戻ってきた。何か食べるものがあるといいんだけど。」
母さんに聞いたらいっか。
「母さーん、お腹すいたー。」
「遅いわよ!今何時だと思ってるの!机にグラタンがあるからあっためて食べなさい。」
「ごめんなさい、ありがとう!」
僕の母さんはすぐ怒るけどとっても優しいんだ。
「お、眠り姫がやっと起きたのか〜?」
「姫じゃないもん…。それに寝てたんじゃなくてゲームだもん!」
この男らしい僕を姫とかぬかしやがったのが父さん。
ちなみに細マッチョだよ!
…父さんの細マッチョ遺伝子が優性遺伝子だったらよかったのに…。
「恵太がゲームかー、あのトランプのババ抜きくらいしかしなかった子がねー。
今どんなのやってるんだ?
和馬に誘われたってことしか父さん聞いてなくてなー。」
「えっと、えっと、
『Miniature garden world online』っていうVRゲームだよ。すっごく楽しい!」
「ほぉ、VRゲームかー。父さんも気になってるんだよなー。
父さんも恵太と一緒にその『Miniature garden world online』?ってやつやってみようかなぁ。」
「一緒にやるの?!」
「なんだよー、嫌なのか?父さんと一緒は。」
「ううん、嫌じゃないよ。楽しそうだと思う!」
父さんとゲームなんて絶対楽しい!
一緒にモンスター狩ったり生産したり、あと木登りとかもしたいなー。
「あら、楽しそうなこと話してるじゃない。私は仲間はずれなの?」
「あ、ごめんね母さん。仲間はずれにするつもりは…。」
「ふふふ、うそよ。そんなこと思ってないわ。それにしてもVRゲームって言ったら最近話題になってるやつよね?
母さんもやってみたいわ。」
母さんも一緒?!相談しながら一緒に青汁味の粉の活用法考えてくれないかな。
母さん料理上手いし。
「うんうん、それじゃあ家族でゲームするか!ちょうど俺ももう少しで夏休みに入るしな。明日にでもVR機器を買いに行こうか、聡子。」
「そうねぇ、この機会だしみんなでやりましょうか。VR機器はもちろん正孝さんのヘソクリから出してくれるわよね?」
「んおぉ、どうしてそれを、まぁ仕方ない。恵太とゲームするためだからな。」
父さんのヘソクリを使うことになっちゃったけど、2人と一緒にゲームできるのはすごい楽しみ!
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