第15話仲間はずれなの?



「なんだよ恵太しけた顔してるな。どうした?」


「どうしたもこうしたもないよ。父さんと母さんもMGをやりたいって言ってさっき買いに出かけんだけど、」


「お!おじさんたちも始めるのか!ああ見えておじさんたちは結構なゲーマーだからなー。」


「僕も一緒にできるのはいいんだよ!でもね、2人が出かけた時に、」



「少し遅くなるかもしれない。うーん2日くらい?」


「そうねー近場でもゆっくり行ったらそれくらいはかかるわよねー。」


いやいや車で20分の電気屋に行くんだよね??


「え?VR機器を買いに行くんじゃないの?」


「うーん、まぁそれもあるけどあれもあるって感じかな〜。」


「そうねー。電気だけじゃなくてお湯もあるって感じかしらね〜。」


お湯…2日…。ハッ2人で温泉旅行に行くつもりだな?!なんか夜中にゴソゴソしてると思ったよ!


「僕は?家族旅行じゃないの?仲間はずれなの?」



「…………。」

「…………。」


「…僕も一緒に行きたい………。」


「恵太…。」

「そんな悲しい顔しないで、恵太。」


「父さん、母さん。」


つれてってくれる?!温泉!!


「留守番よろしくな!!!」


「火事にはきをつけるのよ!冷蔵庫に作り置きのご飯があるからね、行ってくるわね!」


「わーん!僕も行きたいいぃぃぃぃ!」





「なるほど。…弟か妹ができるかもしれないな。」


「や、やめてよ!ぅー、僕も温泉入りたかったな…。」


毎年和馬の家族と海水浴には行くけど温泉って最後に行ったのは8歳くらいの時だったかなー。


「はぁー温泉行きたい。」


「温泉、行くか?」


?!


「温泉いけるの?!行きたい!」

「やーまぁ厳密に言えば行くわけではないんだが、、、」


うん?どういうことだ?和馬ついに日本語すら話せなくなってしまったのか…。


「憐れみの目はやめろ!行くんじゃなくてMGの中で温泉がないか探さないか?」


「あーたしかにありそうだね。でも僕MGだったら、初心者ポーションの研究が途中なんだよね。もう少しで完成するとは思うんだけど。」


「もう少しか、少しなら俺も手伝おう。それなら大丈夫か?」


和馬なら小麦粉がどこにあるか知っているかもしれない。


「うん!大丈夫。」



ということで、MG内でカズとサイド待ち合わせ。


「おーい、ケイこっちだ。」


「カズ!待たせてごめんね。路地裏の方にいたから。」


あの後すぐカズとはヴィータ広場で待ち合わせた。


「で、俺は何を手伝ったらいい?」


「えっとね、これ見て、初心者ポーションを粉にするまではできたんだ。だからこれを小麦粉と混ぜてクッキーみたいに出来ないかなと思って。でも小麦粉がどこで売ってるのかわからなくてさ。」


クッキー作るなら絶対小麦粉はいるしね。


「ふむ、そういうことなら。生産ギルドに行けばだいたいのものは置いてあるな。

でもそれだとコストがかかりすぎるか…。

よし、今回はプレイヤーの露店で買うか。」


「そっちの方が安いの?」


[農業]を持ってる人の露店かな、もう小麦を作ってるんだ。


「あぁ、ケイが今から作るクッキーはいつかは売り物にするものだろう?なら材料費はなるべく抑えて売値が高くなりすぎないようにした方がいいからな。」


「あ、そっか。そのことも考えないと行けないんだね。」


「初心者ポーションで十分コスト削減にはなっているが、作り方を公開したからなプラマイ0ってところだな。」


「うーん、じゃあ初心者ポーションを粉にする方法は公開しない方がいいかな。」


「あぁ、しない方がいい。初心者ポーションの作り方を公開したんだ、それだけでも十分[練金]持ちの助けになってる。こっからは個人の工夫次第だからな。」


「そうだね。気をつけるよ。」


たしかに何でもかんでも人のためにやらなくていいよな。ゲームなんだし。

そんなことをしていたら僕が売れるものがなくなっちゃうしね。


「そろそろ露店が見えてきたぞ。」


「わぁー!すごい、広場の露店とは全然違うね。」


「そうだな。ここは畑の近くに露店を構えてる店が多いからな置いてる野菜も種類が多いし、今はみんな[農業]を上げるために大量生産してるからな。生産ギルドよりは安い。」


なるほど、しっかり覚えとかないとね。


「あ、小麦粉だ!」


「らっしゃい。薄力粉をご所望かい?」


「薄力粉?…薄力粉と小麦粉って同じでよかったっけ…?」


「薄力粉=小麦粉じゃねぇな、小麦粉の中の薄力粉ってところだ。薄力粉を作るための軟質小麦の種はあるがそれ以外の硬質小麦と中間質小麦の種が見つかってねぇのよ。街のパン屋にも聞いて見たがどうやら強力粉と中力粉は他の街との交易に頼ってるみたいでな。」


「買えることには買えるんですね…。」


「あぁ、生産ギルドに少し置いていたはずだ。」


うーん、でも高いんだろーなー。中力粉っていったらうどんが作れるし、強力粉はたしかパンだよね…。すごく欲しいけど。

でも、高いのは仕方ない。

早くこの街でも作れるようになるといいな!


「おっと話が逸れちまった。薄力粉はどれくらい欲しいんだい?」


「はい、なるべく多めに欲しいんですが。あ、残金確認してなかった!」


えっと、350Gか瓶を50本買ったんだったな。うーんどれくらい薄力粉がいるだろう。


「持ち金350Gで買えるだけください!」


「まいどありぃ!」



ケイは小麦粉を手に入れた!

小麦粉×35


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