第9話工夫、大切、
ふむふむ、なるほどな。
薬草をすりつぶしたのを水と混ぜたらいいのか。
小学生の頃にやった色水作りみたいだな…。
僕は今、町にある広場の端で初めての生産をしようとしている。
ちなみに錬金セットの中身はこんなのが入っていた。
・片手鍋
・木ベラ
・ビーカー×3
・ろ紙×10
・加熱台
・ろうと
・乳ばち
・乳棒
まるで理科の実験器具みたいだ。楽しそう!
さっそくやってみるか。とりあえずレシピ通りにしてみよう。
乳ばちと乳棒で薬々リーフをすりつぶして、よしできた。
それを水に入れる。
入れるだけじゃあれかな…てきとうに拾ってきた木の枝で混ぜとくか…。
で、できた!僕の錬金の成果第1弾!
・汚水
小学生でもこんなのは作らない。
汚い。すごく。
食用可 だけど飲むなんて言わないよね?
ひどいものができてしまった…。
うん、でもまぁそうなる気はしてた。
すりつぶして水に入れただけだしね。
うーんこれどうしたらいいんだろう…。
あ、そういえば記念すべき錬金1個めのアイテムはカズにあげる予定だったんだ!
喜んで飲んでくれるかなー?僕なら絶対飲まないけど、食用可って書いてるけどその隣に飲むなんて言わないよね?ってなんだよ!それなら食用不可って書いとけよ!
まぁそんなことより、
[錬金]が死にスキルと呼ばれる理由がこれでわかった。ていうか誰でも気づくだろう。
レシピ雑すぎ。ただそれだけなのかもしれない。
たしかに成功率が低いのも大きな原因の1つかもしれないが、それを凌駕するレシピの雑さ…。運営の手抜きか?
いや、でもここまで作りこまれた世界に手抜きなんて存在するんだろうか。
もしかしたら運営は元になる簡単なレシピから自分で工夫して欲しいのかもしれない。
かもしれないという話だが、やってみる価値はある気がする。
よし!気合い入れて行くぞー!おー!
いざ工夫をすると言ってもどこから手をつけたらいいんだろう。
うーんまず色がひどいのがよくわかるな、泥みたいな色のものを飲みたくはないしな。
うーん、色、色…そういえば錬金セットの中に片手鍋があった気がする…。
煮込めばある程度は色素も抜けるし、それにすりつぶしやすくなりそうだ!
片手鍋に水を入れてっと、水も川から取ってきたものだし沸騰させた方がいいのかもしれない。
水を沸騰させたのを薬々リーフとまぜる用の水にするためにビーカーに入れて冷ましておく。よし、これでいいな。
薬々リーフは煮込む前に洗っておこう、不純物が入るのは嫌だしね。
うーん、薬々リーフにもっと工夫できないかな…。
とりあえず再度、水を加えて沸騰させた片手鍋に薬々リーフをそのまま入れてみた。
…どれくらいまで煮込めばいいんだろう…。
もう水が緑になってきたしいいかな。
また、お箸みたいなの買おうかなー。
木の枝で掴むのはなかなかに難しい。
落とさないように煮込んだ薬々リーフを水に入れてっと。
できたー!さっそく鑑定、鑑定。
・ゴミの入った水
ゴミを水に入れただけのもの
食用可
うん、わかった。まぁ、薬々リーフがゴミにしか見えないしね!
うーんポーションは液体だよね、あとできることといえば…。
あ、錬金セットにろ紙が入ってたのを忘れてた。
よし試しにろ過してみよっと!
・水
水
ゴミが取れたら水になった。なるほど…。
もしかして、薬々リーフから薬効がきえてるのか?え、どこにいったんだよー。
あと残ってるものといえば、煮汁。
煮汁、にじる、煮汁か!
ためしに鑑定!
・初心者ポーション
品質1
練習ポーションより味が濃く。回復量も多い。
60回復 クールタイム30秒
おおおおおぉー!出来てる、できてたー!
品質は1だけど初めてだしね!
これを冷まして、あ、一応ろ過しこうかな。
これを瓶に…瓶…。
あ、ない。瓶がなーい!
やってしまった、スッカリ忘れてた…。
ビーカーのまましまっとこうかな。
明日、生産ギルドに行ってみないと!
ちなみにろ過したら品質が3に上がっていた。
やっぱり工夫することが大切なんだろうな。
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