第3話芋虫怖い、、、
あーなんかすごく引っ張られてる感じ…。
MGの始まり方ってこんなんなんだなー。
あー毛が抜けそうな勢いで引っ張られてる…もうちょいで始められるのか?
例えるなら時速80キロくらいの流れるプールにいる感じ…いや、やばい、よ、酔ってきた、、
吐き気を必死に耐えること20秒、気がついたら風が吹いている感じがした。
え、すごい風…目開けていいのかな?塩素でしみないよな?
「いや、ここプールじゃねぇから。」
「うぉっ、和馬だ!え、髪、黒っ、カズが黒いとなんか引くかも。」
「いや、なんで引くんだよ!おまえだって真っ白じゃないか。」
「いや、ゲーム内で黒くするなら現実でも染めるなよ…お母さん泣くぞ?」
「それとこれは違うんだよ!てか、無理矢理染めさせたのは母さんだし!」
あーそういえば言ってた、多分。いらない情報すぎて忘れてた。
「てか、和馬なんでいるの?ストーカー?僕はこれから何をすればいいの?」
「あーもー、一気に質問するな!とりあえず冒険者ギルドでスキル練習するぞ!おまえの!あとゲーム内ではカズだから!」
気づいてないのかなストーカーは否定しないんだな、こいつは。
ワタシタチスコシキョリヲオイタホウガイイカモ?
「ふーん、わかった。じゃああそこに見えてる大きい木登ってくるわ!冒険者ギルド集合な!解散っ。」
ストーカーなんておいといて、あーさっきからすっごい気になってんたんだよねー。目開けたらすぐに大きい木があったら登るのが男の使命だよね!
「はぁ?話きけよ!恵太…じゃなくてケイ!」
そーいやさっきから違和感が…足動かしてないのに俺前に進んでる。
まって3分前のぼく!さっきカズと目線が同じじゃなかったか?!
あっ!ゲーム始めた時すごい引っ張られたから、伸びたのかもしれない。
このゲームしてよかったー。
「さっきから気になってたんだけどケイなんで浮いてんの?[飛行]でも取っちゃったの?え、あの死にスキルを?!」
あ、飛んでたんだ僕。………儚い夢、だったな、、
「うーん多分その[飛行]持ってるけど、とったんじゃなくてついてたみたいな?」
「は?ついに頭がやられたのか?」
「違うよ!天使族には[飛行]と[光魔法]がもともとついてるの!って執事さんが…」
多分そう言ってたよな?でも発動してないのになんで浮いてるんだろ…バグ?
「はぁぁ?!天使族っていったら1番のレア種族じゃねぇか!……さてはおまえめんどくさくてランダムにしたんだな?」
「誰にものいってんだよ。当たり前だろ。
ちなみにスキルもランダムだ。」
「あーこのバカ!ランダムにする前に電話しろよ、教えてやったのに!」
え?電話なんてできたの?そんなん聞いてない。てか、そんなに怒るなよ。泣いちゃうだろ。
意外と泣き虫ゲフンゲフン涙もろい僕の目尻に暖かいものがたまっていく。
あー涙もあるんだなーリアルだなー。
「ゲッ、泣くなって!俺の言い方が悪かったから…」
ゲッってなんだよゲッて、まぁ慌てた顔見てスッキリしたし木登りに行くか。
「じゃあカズ。僕は男の高みに登ってくる。」
「あ、ちょ、待て。ケイ!」
あれ?飛行あれば木登りとかしなくても高みに登れるんじゃ?うわー勝ち組かよ僕。
「よーし!登るぞー!」
おぉ!ぉぉぉぉ?全然上に行けない、え、なんで?
「何してんの?空中でラジオ体操?」
いつのまにか追いついていたカズがからかうように言った。
「いやー上に飛びたいんだけど。なんか無理なんだよー。」
「んーなんでだろうな。とりあえずスキル欄見てみたら?」
はっ、木に気をとられすぎて(ダジャレじゃないよ!)スキル欄見るのを忘れていた…
えっとー…ふむふむ、[飛行]パッシブtypeLv1では高度制限50㎝、尚、レベルが上がっても速度は上がりません。
…高度制限なんて…通りで高く飛べないわけだよ…。
自力で登るか。
「なんかパッシブtypeLv1は高度制限あるんだってー、自力で登るわ男らしく。」
「そこまでして登りたいのかよ、てか、パッシブtypeだからずっと飛んでられるのか。
羽がある種族便利だな。」
やっぱりレア種族の特典みたいな奴なのかな?まぁ、難しいことはいいか!
「1人じゃ降りられなくなるだろうし一緒に登ってやるよ。[木登り]は持ってるのか?」
「いや、持ってない。登ってる間に取れるでしょ、多分。」
「多分ってお前。まぁ俺も持ってないけど」
そんなこんなで登ること3時間。いや、3時間で頂上に着いたのはいいけど無駄に時間使いすぎだわ僕ら。
まぁ現実の1時間がこっちの10時間だからいいけど。
「あーやっと着いたー。[木登り]とるの結構かかったなー2時間登り続けてやっとなんて。まぁ取ってからはすごい楽だったけど」
「思ってたより高かったし大変だったね。でもすごい景色がいいし登ってよかったかも」
僕は1時間で[木登り]を取ってたなんて口が裂けてもいえないな…まぁ、持ってないカズと登る速さは一緒だったけど、カズの身体能力は人間とは思えないな…。
しっかしほんとうに作り込まれたゲームだなー。都会っ子な僕らでは早々見られない景色だ、いや、現代にこんな景色残ってるのかな…。
ポーンッ
「ん?ワールドアナウンスか?」
「んえ?ワールドアナウンスって何?」
「あー簡単に言えば、ゲーム内全域放送みたいな奴だな。重要な放送ばかりだからちゃんと聞いとけよ。」
「わかったー。」
何が放送されるんだろう?
『初の世界樹の登頂が達成されました。【世界の登頂者】の称号が授与されます。』
「お!俺らのことだな、[木登り]と称号ダブルゲットか、登っとくもんだなー。」
「やったね!まぁ、これからまた3時間かけて降りないとだけどね!でも僕、高所恐怖症なの思い出したからもう動けないよ!」
「は?まじかよー、担いで降りるとかさすがの俺でも無理だぞ?!てか、もう満腹度も8%しかないし詰んだな…」
「満腹度って何?0%になるとお腹空いちゃうみたいな感じかな、今俺お腹空いてるし0%かもしれない。」
「いやお腹がすいてると感じるのは10%からで0%になると全身の力が抜けて動けなくなる。」
え、思ったより怖いぞ満腹度。
「外で0%になったら襲われちゃうじゃん」
「あぁ、生きたまま食われるからトラウマになるぞ。あれは、」
この口ぶりは食われたんだろうな。夏休みの宿題をちゃんとしないからだな。
「芋虫だったわ…俺が食われたの。」
「あっっ……なんか、ごめんね?」
「うん、いいよ。…いいんだ…。」
こんなに真っ青なカズを見たのは初めてだな。僕、満腹度だけは全力で気をつける…。
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