唯一の家族だったおばあちゃんが亡くなり、孤独になった主人公。
遠い親戚には敬遠され、平静を装う彼女の心にはいつも雨が降っていた。
びしょ濡れの彼女に傘を差しだした彼は、こんなことを教えてくれた。
「心に雨が降った時はテルテル坊主を作ればいい」
そのアドバイスを励みに彼女は「晴れ」を求めはじめる……
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怖い。
ただ、それはゾッとする結末に対してだけではない。
納得できる背景、キャラクターの描写、心の動き、生々しい描写を含めて、2500文字以下である点ということなのだ。
物語は個人的には「怖い」というより「悲しい」が先に来た。
こうすることでしか、雨を凌げなかったのかもしれない。
彼女はおそらく、これからも健気にアドバイスを守り続けるのだろう。