第31話 発覚。THE PRISONER OF ZENDA

翌日。

高円寺古着屋GB店内。

「うわあ、やっちゃた~」悲嘆の声を上げ、落ち込む健吉。

「健さんどうしたの?」出産寸前だが古着屋GBで接客仕事をしてる島本歌子が話しかける。

「歌さん、これ見て」健吉がiPADを渡す。

 そこにはSNSニュースの大一番で『極東連邦共和国大統領アレクセイ・フローロヴィチと歌手の仲河リエが交際?』と報道され高円寺グランドホテルのロビー内で手を繋ぐリエとアレクの写真が写ってる。

「二人ともビッグネームだからと思って、高円寺なら大丈夫かとセッティングしたけど。マスコミにやられたか~、二人とも俺たちの想像以上の人物になったんだな」

頭を抱え込む健吉の背中をポンポン叩く島本歌子。

「何とかなるわよ、あの二人は不屈の闘志で今までも困難を切り抜けてきたじゃ無い。祈りましょ」

「そうだな」


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千代田区、SOMYレコード本社。

 事務所内はバタバタしている。リエとアレクの交際報道に大慌てで、会議室ではSOMYレコード社員、リエの所属事務所社長、日本政府関係者といった「オトナ」達が揃ってソファーに座るリエを取り囲んでいる。

「リエ君、アレクセイ大統領とまだ付き合ってるのは本当かね?」

「はい」キャップを深く被り、ナマ返事のリエ

「これからアジア全域、ヨーロッパ、アメリカと売り出そうとしてる時に、こんな報道はイタイなー」

「はあ」

「極東連邦共和国は日本にエネルギーを格安で売ってくれるところなんだよー、それをキミね~」

「へえ」大人の世界で揉まれ、悪い大人の面も身につけたリエだった。


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 SOMYレコード本社に黒塗りのリムジンが乗り付け、中からアレクと沖田とトオルと政府与党の大物国会議員オザワシンゾーが出てきてズカズカと社内に入っていく。

 大統領である大男がイカツイ男二人と大物国会議員を引き連れてきたから、セキュリティも黙って目的の場所へ案内するしかない。


 リエがいる会議室に向かって廊下をズンズンと突き進むアレク達。

「アレク兄貴、大丈夫なんですか?」

「トオルくん、任せて任せて」

「アレク、俺たちを連れて来て何か策があるんだろうな、国会議員オザワシンゾー先生も連れて来てるし」

「沖田、権力者のカチコミは大きく見せた方が勝ちなんだよ。オザワ先生には我が国の石油利権で来てもらってるんだ。黙って見とけ」

「俺たち一介の警察官だぞ。オザワ先生もこちらに来て下さい」国会議員の先生をエスコートする沖田。

「沖田、今から面白いぞ。あっ、あの部屋だな」会議室が見えてきた

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