第24話 キレたリエ。JUDY KUHN
キスをしたけどホッペを膨らませて怒ってるリエ
「アレクさん、キスでも許さない」
オロオロするアレク。
「じゃあリエさん、僕はどうしたら許してくれますか?」
「そうですね~アレクさん一緒に歌ってくれますか?」
「今から?」
「そうです」
「リエさんは初ライブやった後で、僕はテロリストと戦って死にかけた後でどちらもヘトヘトなんですが?」
「ワタシはピンピンしてますよ?」
「何で歌いたいんですか?」
「アレクさんとデュエットしたいからです。歌上手いんですよね?」
「いやいやいやいや~歌上手くないですよ」
「ワタシが歌のレッスンで忙しい時に、アレクさんは健吉さん達とカラオケ行ったんですよね」
「はい」
「それでアレクさんの歌が、物凄く上手いって若山さんと健吉さんが言ってましたよ」
「お喋り夫婦め!」
「はは、あの二人殆ど夫婦ですよね。それはイイとしてアレクさん、曲はですね映画『ウエストサイド物語』の『Tonight』を歌いたいと思います」
「リエさん、今から本当に歌うんですか?」
「はい、まだH@RUKAさん高円寺で飲んでると思うからピアノ伴奏してもらおっと。アレクさんは今からこのジュディ・キューン&ラリー・カート版『Tonight』の動画の歌い方、ミュージカルのバリトン唱法を覚えてもらいます。スマホに動画転送します。必死に覚えてね」
やっベー俺が嘘ついた事でリエさんキレてるな、と思い戦々恐々なアレクだった。
「リエさん、歌う場所はこの家の中ですよね?」
アレクが二人が寝起きしてるリビングを指し示す。
「違いますよー。今から高円寺駅前の焼鳥屋「ME IN HONEY」で歌います。あそこね、焼き鳥屋なのにストリートピアノが置いてるんですよ。だから駅前でストリートピアノコンサートで盛り上がってて楽しそうだなっと思ってたんです」
微笑みながらアレクに話しかけるリエだが、目が全く笑っていない。ガチギレ状態のリエだ。
「えっ、クローズドじゃなく、オープンで歌うんですか?無茶振りすぎですよ。又、動画撮られてややこしい事になるかしれないし」
「うるさいっ、アレクさんを狙ってる殺し屋は捕まったんだから、いくらでも一緒に動画撮られても上等ですよ。さっさと覚えてください。ワタシ今から忙しいんで、1時間後には歌える様にして下さい!」
リエはH@RUKA、健吉、若山に連絡しアレクとの『Tonight』デュエットのセッティングをしていく。
リエの電話の横で、テロリストと戦った傷だらけの体なのに『Tonight』カバーの動画を覚えていくアレク。必要悪とはいえ女性に嘘をついた報いとはこういう物かと恐怖感に身震いするアレクだった。
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