第23話 ライブ後。STAYIN` ALIVE

リエの自宅マンション。

 ライブが終わり部屋で一人放心状態のリエ。

ライブは大成功に終わったが、アレクが狙撃されて容態も判らない状態なので素直に喜べない複雑な状態だ。


 ピンポーンとドアのチャイムが鳴り、インターホンのモニターを見る

「リエさん」聞いた声だ。

ドアの前にアレクが居た。

「アレクさん」

リエはドアの鍵を開け、アレクに抱きつき、アレクもリエを抱きしめた。


 部屋に戻ったリエとアレクはソファに座り向かい合って喋り出した

「アレクさん、生きてますね」

「ええ、生きてますよ。リエさん、心配させてごめんね。ライブは成功したみたいですね」

「はい、H@RUKA先生にハッパかけてもらい歌い切りました」

「良かったです。僕の方も全て終わりました」

「アレクさん、終わったとは何ですか?」

「はい、僕を殺そうと狙っていた殺し屋を捕まえて、今回の件の首謀者、つまり真の敵が判りました。極東連邦共和国の副首相が旧ロシア復権主義者で犯人だったんです。刑事の近藤夫妻が病院で殺し屋に怖い尋問をして吐かせましたよ。あとは国へ帰って副首相を追放したら全てが終わります」

 リエは、アレクの国へ帰るという言葉を聞いて急速に冷めていく。

アレクはまだリエの変心に気づいていない。

「そうなんですか、ところでアレクさんはライブハウス前で背中を狙撃されませんでした?防弾チョッキで弾丸防げたとしても衝撃で肋骨が折れたりして普通には立ってられない筈ですよ」

醒めた目になっていくリエに気づいたアレクは少し焦っている。

「いや、あのね、先程の狙撃は全部フェイクで、特殊な防弾チョッキを着てて遠隔操作で爆発と血糊が出る様にしてたんですよ。それで病院に嘘の怪我で入院して、殺し屋をおびき出して捕まえたんです」

「ふーん、アレクさんは私に嘘をついたんですよね」

リエが氷のような能面の様な顔になって行く。ますます焦るアレク。

「それで、殺し屋を騙すなら身内から騙さないとダメだと沖田が言ったんです。僕は最初は反対したんですよ」

「それで、わざわざ私のライブの日に撃たれた芝居をやったんですか」

「はい、リアリズムの驚きを周囲に与えないとプロの殺し屋は騙せないと沖田から説得を受けまして・・・・」

リエはアレクの右頬をビンタして怒る。

「バカッ、なんで私に言ってくれなかったんですか。国の政治が絡んでるから秘密にする事があるのは判りますが・・・・どうして私のライブの時なんですか・・・事情はわかります・・・・バカッ」

リエは大粒の涙を流してアレクの胸を叩く。

アレクはリエを抱きしめ

「ごめんねリエさん。ライブ見れなくてごめん」

「アレクさん生きてて良かった」

リエとアレクはキスする。

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