第12話 パーティ!パーティ!パーティ!WILD AT HEART
そして、土曜日。
日比谷公園のパーティ会場、仮設テントで大規模なパーティイベントだ。
アメリカ映画のスター俳優だけでなく、日本の有名芸能人も多数訪れている。
リエ、若山、秋山部長夫妻をはじめとした菱菱商事繊維課の面々と古着屋GBの健吉とトオルが呼ばれていた。
「この前は申し訳ございませんでした」
繊維課の面々に謝るトオル、LVレイダースのアメフトジャージシャツを着ている。
続けて健吉が
「アレクさんがOKって云うからこの馬鹿野郎も連れて来ました」
「ああ、あの居酒屋の時の方ですね。そのジャケットすごいですね」
若山が健吉に話しかける。
「どうも、高円寺で古着屋やってる健吉と申します。これは昔、ニコラスケイジが映画で着てたガラガラ蛇の革ジャケですね」
名刺交換をする若山と健吉だった。
アレクをテロリストから守る為、遠くから見守る沖田と近藤明日香。
「あんた若山さんが気に入ってるみたいだけど、古着屋のお兄ちゃんと若山さんがイイ感じよ」
「今は仕事優先です。後で挽回しますから、旦那さんも来るんでしょ」
「ええ、アレク君の対テロ警備の増強と、夫婦でこのパーティ楽しみたいから旦那呼んだの」
「勝手にやって下さい」
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リエ達の元にアレクが妹を連れてきた。アレクはビシッとタキシードで決めている。
「皆さん、これで疑いは完全に溶けたでしょ。僕の妹エレナです」
エレナが英語で挨拶し、菱菱商事の面々もなんなく返礼し会話を交わす。
「よかったわねリエ」
「はい」
アレクの妹エレナはパーティの主賓に戻り、アレクがリエ達に加わり
「さあ、みなさんパーティを楽しんで下さい。リエさん、あっちに映画スターいっぱいがいますよ、見に行きましょう。その片側肩出しドレス可愛いですね。僕はアンドレ・ザ・ジャイアントを思い出しますが」
「ありがとうございます。何ですか、アンドレ?」
「まあ行きましょう!」
アレクはリエの手を取ってパーティ会場の中心に行く。
それを見守る同じテーブルの若山と健吉。
「あの2人、上手く行きそうね。お揃いの指輪してない?」
「そうですね。あの指輪、うちの店からプレゼントしたんですよ」
「ええ、そうなんですか」
「よかったらウチの店に遊びに来てください。変わった指輪とかTシャツもあるので見に来てください」
「行く行く」こちらも盛り上がり親しくなる若山と健吉だった。
別のテーブルでは、近藤明日香と旦那で刑事である近藤洋次郎がセキュリティしながら食事を楽しんでいる。
すると古着屋のトオルが二人の元に挨拶に来た。
「あの~近藤刑事。この間はバカな事してしまい申し訳ございませんでした」
「いやいや、気をつけて下さい」
「ところで近藤刑事さんはもしかしてUFCのチャンピオンだった「YOJIRO」ですか?」
「そうだよ、チャンピオンになったから引退して、もう一つの夢だった警官になろうと思ったんだ」
「それで日本に帰ってきて私と知り合って結婚したの」
巨大な旦那のシャツ越しの腕に腕を絡める近藤明日香。
「へえ~凄いなー。ウチのボスとアレク兄貴も格闘技好きなんでちょっと連れてきますんで」
近藤夫妻の元を離れるトオル。
アレクが用事でリエから離れていると、ハリウッドスーパースター レオナルド・クルーズがリエに話しかけて来た。
「Hi! I saw u, I know U, I knew u」
「Hah」ナンパされて戸惑うリエ。
そこへ戻ってきたアレクが
「She is my girlfriend!」
レオナルド・クルーズに怖い顔をしてリエを奪還する。
こうしてパーティを楽しんだ繊維課一同だった。
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パーティが終わり、会場から出て来るアレク達。
「お疲れ様でしたー」
会場外でお開きになろうとした瞬間。
シャンパンの栓がポンと抜けるような音が鳴ったあと、アレクがいきなり殴られたかの様に後ろに転倒する。
アレクの転倒に驚き一瞬沈黙の後、悲鳴が上がる。
「やられた!サイレンサーか?」
後方からダッシュする沖田。
「アレクさんっ!」
アレクに駆け寄るリエ。
沖田と近藤洋次郎がアレクを担いで公安の車に運ぼうとする。
「みんな、建物に戻って」
近藤明日香が繊維課を含めたパーティ客を誘導し、アレクについてるリエを引き剥がす。
「リエさんも建物に入って!」
アレクを乗せた公安の車は走り出し、近藤明日香はリエを引き連れながら無線を取り出し通話する
「アレクセイが狙撃された。犯人は超遠方から狙撃と思われる為、見つからず。アレクセイは公安の車で保護、移送中」
近藤明日香の無線が耳に入ったリエは混乱しながらも、アレクがアレキサンダーではなくアレクセイと呼ばれてることに違和感を覚えた。
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