オレの彼女が浮気されてた件〜清楚系と思ってた彼女が地雷でした〜

プロローグ

　"浮気したので、別れます"

　突然、スマホの通知が鳴ったかと思うと、浮気のことを伝えられた。

　どうやら、彼女に浮気されたらしい。

　浮気相手は別高の一個上の先輩と言われた。

　どういうツテで知り合ったかは知らない。

　彼女はお淑やかな、大人しい性格だった。とても、浮気するような子には思えない。最初は、頭が追いつかず、ぼーっとスマホの画面を眺めていたが、また彼女からの通知が鳴った。

　"なんで返信しないの？あと、これ浮気した証拠"

　オレは驚いた。彼女は大人しい性格だった。

　男慣れしてなさそうな、少し話しかけるだけで顔が赤くなるような可愛らしい子。オレに盲信しているように見えた。自分が浮気した証拠を送りつけるような酷い性格の持ち主とは到底思えなかった。

　続いて通知がなったと思うと、すぐに写真が送られてきた。

　そこに写っていたのは、手を繋いで歩く、目つきの悪い黒髪の男と、薄めの金髪を短めに纏めた背の低い少女の姿だった。

　フリーズしていた頭が動き出す。オレは素早くスマホを操作する。そして、成る程と深く理解した。

　「マジかよ……位置情報隠すの忘れてた……」

　暗くなったスマホ画面に、目つきの悪い男の顔が映る。紛れもなく、オレの顔だ。

　「はあ……浮気された方がマシだったなこれ」

　勘違いして申し訳ない。どうやら、オレの彼女は浮気なんてしてなかったらしい。想像通りの子で安心した。そして、それと同時に可哀想にと思う。

　悲報　浮気したの彼女じゃなくてオレだった件