第2話「ホラーは苦手です♪♪』

「猫派の人こんにちは、徳尚とくしょう学園高等部二年A組、好きなのは可愛い可愛い黒猫派、徳尚学園のケモ耳メイド、東野泉ひがしのいずみです」


『犬派の方こんにちは~、徳尚学園高等部二年B組、好きなのはご主人様に忠実につくす猟犬派♡ 全人類のご主人様、西宮穂乃果にしみやほのかです~』


「こわっ!! さらっと怖い言わないでよ穂乃果ちゃん、好きなのは猟犬で全人類のご主人様ってどんだけ人の上に立ちたいの? 諭吉も怒るレベルじゃん!!」


『え~なんで~? 人はけっして平等じゃないんよ~♡ 能力にも差~があるし、必ず支配する側される側にわかれるんやで~ ちなみに~、諭吉さん(一万円札)は~人の頬をはたく為の最強の武器やで~~♡』


「諭吉を武器とか言う女子高校生怖すぎじゃん!!」


『まあ、お金で動く人間なんてたいした人間とちゃうけどな~』



「………………………………………………」


『………………………………………………』



『台本通りやで~』


「嘘つけ!!!!」



♪♪♪



「改めてましてこんにちは、東野泉です!」


『改めてましてのこんにちは~西宮穂乃果やで~』


「今日のメールは何かな穂乃果ちゃん」


『今日はな~お金にまつわるトラブルやねん』


「何かめんどうな事にならない? お金のトラブルってあと引くよ」


『大丈夫大丈夫、額が十円玉やねん』


「十円かよ!!!!」


『繰り返しツッコミごくろうさま~~、テレビのテロップみたいに解りやすいわ~~』


「だから、ツッコミの解説しないでよ!!」


『じゃ読むで~』


「OK」


『徳尚学園高等部二年、リスナーネーム[ポチ]さんからメール来てます~、泉ちゃん穂乃果こんにちは~』


「ちょっと待って穂乃果ちゃん、メールの通りに読もうか!」


『メールの通りやで~~、ほら見てみ~~』


「ホントだ、頭おかしいのその人? そして様をつけるなら私にもつけろ、パーソナリティー格差が生まれるじゃん!!」


『無視して続けんで~、泉ちゃん穂乃果様こんにちは~、僕はコックリさんをこよなく愛する普通の高校生です~』


「コックリさんをこよなく愛してるのは普通の高校生じゃないぞポチさん」


『ですが最近友達とコックリさんをしていると、オ・マ・エ・ラ・バ・カ・リ・デ・ア・キ・タ、とか返事をして来ます、コックリさんにもコックリさんを楽しんでほしいのでウィジャボードと何時も使っている十円玉を放送部の部室の前においておきます~、P.S.大切なものなので必ずオカルト研に返しに来て下さい~やて』


「となりのオカルト研究会かーーーー!! 今すぐ乗り込んで叩きかえしてやる!!」


『まあまあ泉ちゃん、わざわざ持って来てもうたんやしやってみよや~~』


「えー、やだよ」


『なになに~、泉ちゃんもしかしてコックリさんとか怖い人な~ん?』


「え! 怖く……わないけど……」


『ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ』


「……人の弱味を見つけた時の穂乃果ちゃんってすごく嬉しそうだよね、あと笑い方がキモいし怖い!!」


『キモないしコワないよ~、やろ~やろ~コックリさんやろ~~や~~~~』


「必死か!!」


『ねえ♡』


「可愛い顔で上目使いやめろ!」


『ね~~え~~♡♡』


「わかったわかった、やるからその上目使いやめて!」


『やった~~♡ コックリさんや~~♪♪』


「穂乃果ちゃん、ノリノリじゃん!!」



♪♪♪



「この厚紙がウィジャボード?」


『そやで~、紙の上に[鳥居]とな~[はいといいえ][男と女][零から九の数字][五十音]を書いて作んね~ん♡ 本格的やろ~~』


「何が本格的かは知らんないけど、これオカルト研究会のだから穂乃果ちゃんが自慢するのおかしいよ……」


『へへへ~~~♡』


「なぜテレる?!」


『今思えばあの時の穂乃果はおかしかった、まるで何かにすでに取り憑かれているようだった……』


「おかしなナレーションいれないで穂乃果ちゃん!! 怖いじゃん!!!!」


『じゃ行くで泉ちゃ~ん、ウチと一緒に十円玉に人差し指乗っけてんか~~』


「オッ、OK!」


『いっしょに唱えんのやで~~』


「わかってる」


『コックリさんコックリさんおいでください~』


「コックリさんコックリさんおいでください」


『声そろえんやで~♪』


「わっ、わかった!!!」


『「コックリさんコックリさんおいでください、コックリさんコックリさんおいでくださいコックリさんコックリさんおいでください』」


「ちょっ!! 何、何、十円、十円玉勝手に動くんですけど、穂乃果ちゃん?! 穂乃果ちゃんなの?! 止めて! ホント止めて!! いや、真面目に、ちょっ、ちょっと怖いんですけど!!」


『ウチ何もしとらんで~』


「嘘でしょ! だってじゅ、十円玉勝手に!!!!」


『何もしとらんよ~』


「ヒ・ガ・シ・ノ・イ・ズ・ミ・ハ・ヌ・イ・グ・ル・ミ・ガ・ナ・イ・ト・ネ・ム・レ・ヘ・ン……」


『────ホンマなん泉ちゃん?』


「オマエが動かしてんだろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


『え~、ちゃうよ~、ちゃうちゃう』


「東野泉はぬいぐるみが無いと眠れって完全穂乃果ちゃんじゃん!! コックリさん関西の人じゃん!!」


『あれ~コックリさん、関西にお引っ越ししたんかな~~』


「付き合ってられるかーーーー!!!!」



♪♪♪



「…………はぁ、オカルト苦手な人お別れの時間となりました、徳尚学園高等部二年A組、放送部の前にウィジャボードとか置かないでよ!! 東野泉です」


『オカルト大好きな方お別れの時間となりました~、徳尚学園高等部二年B組、放送部ではみんなの恐怖体験募集してます~、西宮穂乃果です~』


「穂乃果ちゃん募集してないから!!!!」


『泉ちゃんは怖がりさんやね~♡』


「うぅ……またお昼の放送でお会いしましょう」


『ほなな~~~~~~~~~~~~♪♪』



♪♪♪



「ホント止めて穂乃果ちゃん……」


『かわええな~泉ちゃんは~♡』

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