泉と穂乃果の二人の放送室♪♪

山岡咲美

第1話「告白には気をつけよう♪♪』

「お弁当の人も学食の人もこんにちは、徳尚とくしょう学園高等部二年A組(女子かっこじょし)、おにぎりの具はツナマヨ派、徳尚学園のおしゃべりモンスター東野泉ひがのいずみです」


『ラブラブ屋上ランチの方、お一人ご飯の方こんにちは~、徳尚学園高等部二年B組(女子かっこじょし~)、おにぎりの具~は明太子派♡ 徳尚学園のはんなり京美人、西宮穂乃果にしみやほのかです~』


「自分で美人とか言うなよ穂乃果ちゃん、あと何? お一人ご飯って! ぼっちメシじゃん! 友達いない人じゃん!!」


『あらいややわ、お友達がおらんやなんて、孤高の人なんやね~』


「バカなの穂乃果ちゃん、もしかしていじめかもしれないじゃん! 絶対助けがいるじゃん、助けなきゃじゃん!!!!」


『ただ、お一人様が好きなんちゃうの~』


「そうかも知れないけどせめてサッカー場の芝の上、センターサークルでピクニック気分で食べろよ!!」


『泉ちゃ~ん、それやとサッカー部の人に迷惑やわ~~』


「ボケたんだよ穂乃果ちゃん、わかってよ!」


『そんな~ぼっちでお悩みの方もウチら放送部、お昼の時間、ランチタイム相談室で解決してみませんか~』


「話の流れスムーズか!!」


『泉ちゃ~ん、エクセレントでマーベラスな説明ツッコミやね~』


「ツッコミ解説すんな!! 意味わかって使ってんのかエクセレントとマーベラス!!」



♪♪♪



「じゃ、台本通りの茶番劇も済んだ事だしメール読むよ穂乃果ちゃん」


『O~K~』


「徳尚学園高等部一年、リスナーネーム[チャムチャム(独身)]さんからメールが来てます」


『徳尚学園高等部一年の方やから大抵独身やね~』


「こんにちは初めてメールします、私は一年の女子なのですが最近好きな人が出来ました、告白したいです、良い告白の方法教えて下さい、ちな、お二人ならどんな告白をしますか? ぜひ告白の実演をよろしくお願いします」


「来た来た恋バナ、学園の相談事ナンバーワンだよねこれ」


『そやね~、直球来たね~』


「ところで穂乃果ちゃんは告白した事ある、世の中には告白を待つって訳わかんない派閥があるらしいけど私は断然告白する派だよ、だって相手が私を好きかどうかもわかんないのに待つなんてありえないよ!」


『??? なあ泉ちゃんが何を言ってんのかわからへんわ~、ウチ、クラスの男子十人位に告白されたで~、告白って普通されるもんちゃうの~?』


「それクラスの男子三分の二超えてんじゃんない?! どんだけモテんだよ穂乃果ちゃん!!」


『でもな~そんなウチも一度だけ告白した事あんねんで~』


「え、ホント?! どんな告白したの?」


『え~何かテレるわ~♡』


「いいから早く早く!!」


『じゃ~あ~、一度だけやよ~』


「徳尚学園高等部ニ年B組、放送部、西宮穂乃果さんの告白です!!」


『ねえねえウチ三田みた先輩の事好きなんです~、だから、今度限定販売されるバック並んでうて来て~~♡♡』



「………………………………………………」


『………………………………………………』



「テイのいいパシりじゃん!! 全然告白じゃないよ!!!!」


『でも告白は成功して~バックうて来てくれたんよ~♡』


「たかりじゃん!!」


『ウチの一世一代の告白やのに~(泣)』


「で、その人と付き合ったの?」


『バックもろうてから直ぐ別れたんよ~、デートもしとらへんわ~』


「完全付き合います詐欺だ! 警察に捕まれ!!!!」


『え~? 恋は突然始まり、突然終わるもんちゃうの~~』


「バカなの?! 何がうて来て~~♡♡だ! 転売ヤーと競争か!! あと実名は止めろ、それ三年の先輩じゃん!! 全校生徒の前で公開処刑だよ穂乃果ちゃん!!」


『え~、じゃあ~泉ちゃんはどんな告白して来たん~? ウチ気になるわ~』


「えー? 何、気になるの私のコ・ク・ハ・ク♡」


『と~っても気になんで~、教えて教えて~』


「そんなに気になんのかー、テレるなーー」


『泉ちゃ~ん、いや告白マスター泉様~勉強させて下さい~~』


「穂乃果ちゃんがそんな気になるなら私の魂の告白を聞かせて、あ・げ・る・ゼ!!」


『ああそやそや泉ちゃん、実名ダメならメールのチャムチャムをチャムチャムに変えて言ってんか~』


「OK、(独身)はなしで良いよね、言いにくいし」


『徳尚学園高等部ニ年A組、放送部、東野泉さんの告白です~~』


「チャムチャムくん、私ずっと前からチャムチャムくんの事好きでした付き合って下さい、お願いします!!」


『きゃ~素敵な告白やね~直球のところがとってもええわ~』


「そう? やっぱり解りやすい方が良いと思って、だって良くラノベとかだとおかしなスルーされるし、私好きになったら直球勝負じゃん!」


『そうやね~、でもな泉ちゃんメールの方、テレ屋さんかも知れへんや~ん? テレながらのパターンもほしいわ~泉先生そんなんないの~』


「あるよ、あるに決まってる、何せ泉先生だじゃん私!」


『じゃあ~お願いします~告白マスター泉先生♪♪』


「OK♪♪♪」


『徳尚学園高等部ニ年A組、放送部、東野泉さんの告白、テレバージョンです~~』


「あのね、チャムチャムくん、私ね……チャムチャムくんの事見てると何かドキドキして……その……ついずっと目でおっちゃうの、それ、それってきっと恋だよね、私、あの…………うん、私チャムチャムくんの事好き! 私と付き合って下さい!!」


『ええわええわ、泉ちゃん何かか~いらしいし何か萌える~? 聞いたみんなドキドキしてるわ~』


「えー、そうかなーー、テレんじゃん♪♪」


『ホンマホンマ、今の告白放送、永久保存版やね、チャムチャム(独身)くんもきっと聞いて身悶えして喜んどるよ~』


「ん? 何言ってるの穂乃果ちゃん? チャムチャム(独身)じゃなくてチャムチャム(独身)女子じゃん書いてあるじゃん、参考になっても身悶えして喜ばないよ絶対」


『あれ~、泉ちゃん気づいてへんの~、チャムチャム(独身)一年の女子くんたぶんやけど男の子やよ』


「え?」


『だから男の子やって話やん?』


「どっ、どーしてそうなんの???」


『このメールたぶん釣りやで』


「釣り?」


『つまりな、ぜひ告白の実演をよろしくお願いしますって書いてあるやん、それってウチらの告白聞きたかっただけやねん』


「なにひ、それえへ、じゃへあはあ、はだしひはへは、こうひふうのふ、めふんせふんふでへふ、ふぁるかりげるもふにふる、こるはふ、ひはのほ???」


『何、それ、じゃあ、私は、公衆の、面前で、恥ずかしげもなく、告白、したの???』


「そ、そう!」


『面前でちゃうけどそやで~♡』


「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」



『まあ、そうなるわな~』



♪♪♪



「うう……、お弁当の人も……学食の人もお別れ、のお時間となりました……徳尚学園高等部二年A組(女子)、おにぎりの具はツナ……マヨ派……徳尚学園の騙されモンスター東野泉でした……………」


『ラブラブ屋上ランチの方、お一人ご飯の方お別れの時間となりました~、徳尚学園高等部二年B組(女子)、おにぎりの具~は明太子派♡ 徳尚学園の相方転がし京美人、西宮穂乃果でした~』


「またお昼の放送でお会いしましょう……」


『ほなな~~~~~~~~~~~~♪♪』



♪♪♪



「穂乃果ちゃん、相方転がし京美人って酷くない?」


『泉ちゃんは簡単に転がせるで~♡』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る