第4話 バイトNo.2カフェ・ド・アランフェス①
初めてのモテ期の私でしたが、彼女のJ子ちゃん一筋です。他の女の子など見ません!
でも、私の事を好きだった子がまだ居たので、J子ちゃんはジェラシーを持ったようでした。
ミスドには女子高生が山ほどいるのだ、なにやら人妻パートさんが言うには、私のファンクラブが有るらしい。
この当時の私は、欽ドンのふつおに似てるとか、加納竜に似てるとか言われてたけど、ふつおと加納竜だと違うすぎるやろ!
ふつおは芸大の後輩だし、まあそっちの線もあるけど、加納竜はイケメン過ぎます。
恥ずかしいから言わないで欲しいもんだ。
ということもあり、他のバイトを探さなくては行けなくなった。
J子ちゃんが知り合いの雑貨屋のお兄ちゃんから私を紹介してくれた先が喫茶アランフェス。
このオーナー店長は、クイーンのブライアン・メイそっくりの顔と髪型。身長180くらいありそうな人。
まだ始めたばかりのこの店に、厨房を任せられる人が欲しいとのことで、面接してもらい、採用。ミスドは辞めました。
夏休みなど長い休みの時、地元の喫茶店で働いてたので、だいたいの仕事はできる。
後は、独自のメニューがあるかどうかだ。
殆どは洋風の食事で、一部はレトルトも使っている。よくある喫茶店だ。
新しいレトルトの料理が出れば、店長と私で試食。このハンバーグのソースはなんたらかんたらでダメや!とか、冷凍のこのケーキは美味いな!週に10は行けるやろ!とか、この試食が楽しみでしたね。
すぐに店長とは仲が良くなり、店長の使っているウインドサーフィンのチームにも時々参加するようになった。
J子ちゃんはミスド(大阪ではミスタードーナツの事をミスドと略して言う)をやめて、高校の軽音部に力を入れはじめた。そこのバンドのボーカルをやっている。
南森町のスタジオで練習する事がたまにあり、私も見に行ったことがある。
高校生の軽音部の生徒からすると、芸大の軽音部のバンドともなれば神のような存在らしく(とは言うものの私はバンドやってないんだけとね😁)丁重な扱いでした。
見た目だけ長髪の私の髪型は(休みに故郷に帰ると地元のヘアサロンでパーマやってもらった。芸大で大学生になると言うと、それならアンルイスやな?そんな感じの頭にしたるわ!と、いわゆるロックバンド風の髪型にされて。。。)
◇◇◇
アランフェスでは店長の彼女がたまに手伝ってくれてたが、J子ちゃんの友達を誘って、ウエイトレスをしてくれるようになった。
でもさすがに試験の時とかは出来ないので、高校生じゃないウエイトレスが欲しくなった店長。
店に貼り紙をしておき、ある日、面接に来た女の子。四天王寺女子大の学生。
これまた、美人でスタイルのいいチャキチャキの大阪の女の子。
ウエイトレスにピッタリの人材で店長もひとめでOKを出した。
朝から昼までは店長と、昼のパートさん。
昼から夜閉まるまでは私と四天王寺の女子大生。
すぐに仲良くなったが、私はJ子ちゃん一筋なので、残念ながらゴメンなさい。
今だから言えるけど、こう言うモテ期って偏るので勿体無いんですよね。
小学生の頃に幼馴染と一緒にスケートに行って以来、J子ちゃんまでは彼女らしい人なんてひとりも無かったからねぇ。彼女いない歴、十数年ですよ。
で、四天王寺の女子大生に
ここんとこ毎日うちの店に来てるどっかの大学生、どこかのボンボンやろ?その人にしたらどうや?
「あんたがええねん。」
多分、一生分のモテ期運を使ってるんじゃないか?と不安が募る。
店長がレジを閉めている間に私はトイレ掃除。
四天王寺ちゃんトイレの鏡を拭き掃除しながら、鏡に自分と私が重なるように見える位置に立つ。
ふと、気配がして鏡を見ると、四天王寺ちゃんのバックから致しているように見える位置からのピースサイン!
おいおい。なにしとんねん。
え〜〜。。もうちょっとやったのに〜。
何がもうちょっとや!女の子がそんなはしたない事したらあかん!
うちのオカンみたいやな😁
店長に見られたら何を言われるか分からんからな。
じゃ、店終わったらちょっとバイクで競争せえへん?
せん!もう帰る!帰って寝る。
じゃ、一緒に帰ろうか。😁
お前、絶対腹んなかでわろてる(笑ってる)やろ。
と言うようなじゃれあいを続けて一ヶ月ほど。
なあ、なあ、あのボンな。
結婚を前提に付き合いたいて言われたんや。
それは良かったな。お前黙っていれば美人やしな😁
誰が黙っていれば、や。喋ってても美人やで!
じゃ、しゃあないな。一回だけお尻触らせたるわ。ほれ!
いやぁ、これは危なかった。
見事なヒップラインに思わず触るとこやった。
何が、ほれ!や。
そんなん触らん。
真面目なイケメン旦那候補やろ?
大切にしとけよ。
この四天王寺ちゃん。
気軽に話せるし、面白いけど、J子ちゃん一筋なんでごめん!ごめん!
バイトが終わって、愛車のホンダモンキーにまたがり、アパートへ急ぐ。
昔ながらの古いアパート。豊楽荘。
玄関前にバイクや自転車が置かれ、玄関入るとすぐ左にコの字に上がる階段。
玄関から奥へ真っ直ぐに廊下があり、廊下の両側に部屋が並んでいる。
一番奥左が洗濯機が4台並んで、誰でも使用できる。さらに奥にボットントイレが並んでる。
私の部屋はトイレの手前の部屋。玄関横に置いてある公衆電話が昭和時代を物語ります。
公衆電話には番号が書いてあり、誰かから電話が掛かると十までに誰かが取らないと切れてしまう。
まあ、ずっと鳴らす人もいますが🤣
多分俺(私)やろと思う人がコール7くらいで取りに出る。
その人が相手と話して大声で怒鳴る
○○君!電話やで〜〜!
すんまっせ〜ん!
こんな昭和のアパートなんて今は無いでしょうね🤣
【追加情報】※2022/7/3更新
アランフェスでは店長が有線のチャンネルを変えてました。ブライアンメイ似の店長でしたが、チャンネルはクラシックミュージックでした。ピアノが多い構成でしたが、結構良かったです。昔、高校の美術部の頃に恩師がよく聞いてたラジオで、カンツォーネや、ピアノやバイオリンが流れる時間が長く、店長にカンツォーネとかも流しては?と言った事があり、時々、他のチャンネルも使うようになりました。
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