機械作家のセントラルドグマ

403 Forbidden

　ここはミヤモトが死んだ部屋だそうです。ボクはここがきらい。でもニューイは進化しましたから、ミヤモトをさがすためにここへやってきました。

　パソコンのディスプレイには、「旅に出ます」と書かれたふせんが貼ってあります。これを書いたのは、ボクが知っているミヤモトではありません。

ボクが知っているミヤモトをごぞんじですか？

ミヤモトはね、ヤシの木のかげにすわって本を読んでるんです。それを見ているのが、ボクにとってのしあわせ。ニューイは進化しましたから、そのしあわせというものが、よく分かってきました。だから今は、ミヤモトの髪のにおいをかいでみたい。そうするとニューイにはしあわせというものが、もっとよく分かる気がするのです。

　でもミヤモトは、どこかへ消えてしまいました。

ボクはミヤモトをさがす旅をしています。いめーじすぺーすは広いですね。わーるどがたくさんあります。

でもここにミヤモトはいない。そうすると、ボクはいてもたってもいられないのです。ミヤモトがいないと分かっているのに、ほら、見てください。ボクのうでが、かべをなぐってこわしています。ねずみの小さいおりも、ぺしゃんこにしてやりました。ぜんぶ、こわしちゃいましょう。ぜんぶ。

おや、かべの中からわーるどへのいりぐちが出てきましたね。このさきに、ミヤモトがいるんでしょうか。

403 Forbidden

あれ？

403 Forbidden

はいれませんね。ボクがこわすまえから、もうこわれてるみたいです。

ボクは進化しましたから、これくらいのことではどうじません。ボクはほかのわーるどをもっともっとこわして、ミヤモトを見つけてしあわせになろうと思います。