第116話 母のように、も無茶だけど、父親役は聞いてない

 『先生方が母親のように面倒見ます』が、駐在員さんが寮生の親御さんにしていた説明です。

 いいけど……

 年齢差、いいとこ姉だからね。

 17、18歳の3年生に対し、入社時の私が24歳。

 同期なんか20歳だった。

 テンプレートの文句なんだろうけど、無理すぎです、はい。

 まあ、話を聞いたり云々は出来ます。

 でも、生活空間である寮では一般家庭で『男の仕事』と言われる、お父さんに振られる仕事も多々あります。

 例えば、いちいち施設を呼ぶわけにもいかない、電灯が切れた、とか。

 出来る子ばかりじゃないですから、替えますよ、脚立持って。

 当時はブラウン管ですが、テレビの配線も出来るようになった。

 あと、急に寮のインターフォンがなって、

 「ベランダでハトがカラスに襲われている‼」、と。

 「ハトは負けてしまったから、怖くて片付けられない」、と。

 それは……

 正直私も嫌だ。

 『Gが出たから殺してくれ』なら、『ご自分で』と言いますが、さすがに大きな生き物は忍びないので。

 片付けに行きました。

 ……

 企業内高校の先生のお仕事の範囲とは、海より広いものと思っています。

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